USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.9(1997年2月発行)

1996(平成8年)秋期応用物理学会(九州産業大学)

短波長ロングアークランプの開発
Development of Long Arc Lamps Enhancing Shorter Wavelength Emission

三橋健一 森和之 五十嵐龍志
(ウシオ電機株式会社)

1.はじめに

これまで、波長域200から250nm波長域において、高電気入力のロングアーク型の光源としては、水銀ランプが一般的であった。この波長域の紫外線は、紫外線硬化樹脂の硬化、表面改質、光エッチング等の新しい応用の可能性がある。そこで、ロングアークランプで、この波長域に主発光をもち、高電気入力でかつ集光に有利な細管型ロングアークランプの開発を試みた。

2.実験

図1に実験装置を示す。ランプは溶融石英製で外径8mm(肉厚1mm)で極間250mmである。このランプにカドミウムと亜鉛のヨウ化物とXeガス200Torrを封入した。ランプはAC 点灯(60Hz)させた。ランプの電気入力は4kWである。ランプは、発光管を均一に冷却するために200rpm で回転させながら、送風冷却した。集光には、楕円ミラーを用いた。また、集光点での200-250nmの放射照度は、校正された光電管式の放射照度計で測定した。

3.結果

図2に短波長ロングアークランプの分光分布を示す。自己吸収したカドミウム(228nm)、亜鉛(214nm)の発光が見られる。200から250nmの発光効率は、5.7%であった。従来の水銀ロングアークランプの発光効率と比較して、約1.5倍(当社比)となった。

また、集光点での200-250nmのピーク放射照度は、1200mW/cm2 に達した。

4.まとめ

波長域200から250nm波長域において、従来の水銀ランプと比較して、1.5倍の出力をもつロングアークランプを開発した。

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