USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.9(1997年2月発行)

1996(平成8年)秋期応用物理学会(九州産業大学)

8p-L-16
エキシマランプによるSiウエハのUV/オゾン洗浄中の表面反応解析
Analysis of chemical reactions during UV/ozone cleaning of Si surfaces by eximer lamp

九大工、ウシオ電機(株) 山口 浩司、植松 豊、渡鍋 文哉、五十嵐龍志、松野 博光、本岡 輝昭
Kyusyu Univercity, USHIO INC.* K.Yamaguchi,Y.Uematsu,F.Watanabe,T.Igarashi*,H.Matsuno*,T.Motooka

【目的】

UV/オゾン洗浄は集積回路作製用Si 基板の表面有機汚染物除去法として注目されている。本研究では、誘電体バリア放電エキシマランプ(波長=172nm)を光源としたUV/オゾン洗浄を行い、洗浄中の表面上での反応過程を四重極質量分析器(QMS)を用いて解析することにより洗浄のメカニズムを明らかにすることを目的としている。

【方法】

超音速パルスバルブによりパルス幅60µsec、周波数10HzのO2 パルスフリージェットを真空チャンバー(~10-8Torr)内に導入し、p型Si(100)ウエハ表面に紫外光とともに照射しUV/オゾン洗浄を行った。洗浄中におけるウエハ表面での反応を時間分解四重極質量分析法(QMS)により測定を行った。

【結果】

実験結果の一例(質量数28、CO、N2,C2H4)を右図に示す。UV/オゾン洗浄を行う前にパルス状のシグナルが現れているが、これはO2 フリージェットの中の不純物窒素による ものと思われる。次にこのシグナルを洗浄中のシグナルと比べてみると、その波形はほとんど変わらないまま全体のシグナル強度が上昇していることが分かる。このことからUV/オゾン洗浄中の表面でのCOの生成反応は、紫外光によりO2 ビーム中に生成された酸素原子の供給には律速されず、表面に吸着した酸素原子と有機物の化学反応が律速過程となっているものと考えられる。

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