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光技術情報誌「ライトエッジ」No.12(1998年2月発行)

■日本工業新聞「UV・EB 硬化技術」特集号

(平成9年9月24日)

先端技術市場で活躍する
UV EB硬化技術

ウシオ電機株式会社
システム事業部営業一課
吉行秀人

UV硬化装置が普及し始めて、20数年が過ぎようとしている。UV装置も使用される分野が、従来の印刷、コーティングといった分野だけでなく、最近では、電子部品、光ディスク、液晶を始めとするパネル業界、光ファイバー業界等、多岐にわたってきている。 その間、UV装置もさまざまな技術革新を行い今日に至っている。ここでは、最近のUV装置の特長について述べる。

UV硬化装置の最近の動向

最近のUV装置の大きな特長としては、①ハイパワー化、②電子回路による制御、③低温化ーの3点が上げられる。

スイッチングレギュレーター方式紫外線照射装置
(160W/cm、4KWタイプ)

スイッチングレギュレーター方式紫外線照射装置
(280W/cm、7KWタイプ)

①ハイパワー化について、

従来、最大160W/cm であったランプ入力を上げることにより、処理能力の大幅アップ、また、乾燥性の向上により設置灯数の減少を図ることが可能になった。

ほとんどのUV装置メーカーは最大300W/cm 程度まで入力できる装置を開発しているのが現状である。

②電子回路による制御

従来のUVランプを点灯させるには、大型のトランスを使用していた。

また、ランプ入力切換をする場合も、最大3段階程度しかできないばかりでなく、点灯電源が大きく、大きな設置スペースを取る必要があり、ユーザーサイドでは、非常に大きな問題であった。

これに対応するものとして、スイッチングレギュレーター(SWR)式と呼ばれるIC 回路でUVランプを点灯させる電源も開発されている。

スイッチングレギュレーター
(280W/cm、14KW点灯電源)

③低温化について

UVが使用される業界が広がるにつれ、UV照射による被照射物への温度上昇を抑えなければならなくなってきた。

反射ミラーを従来のアルミ板から、コールドミラーと呼ばれる多層膜の蒸着ミラーやコールドフィルターを組み合わせることにより、UVランプから発光される可視光や熱線を従来の約半分までに落とし、被照射への熱影響を抑えるようにしている。

以上、簡単ではあるが、UV装置の現状を記述してきたが、今後もUV技術がさまざまな業界や用途に応用されるにつれて、装置への要求も多様化してくると考えられる。

ユーザーの要求や用途に応じた、UV硬化装置を開発し、提案して行くことが、UV装置メーカーの使命であり、重要な課題である。

コールドミラー灯具照射部

応用分野広がる
電子部品、光ディスクなど

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