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光技術情報誌「ライトエッジ」No.19/特集 映像…デジタル化時代に向けて(2000年7月発行)

第6章

6. あとがき

「EC(イーシー)」は、ヨーロッパ共同体の意味ではなく、今や電子商取引(エレクトリックコマース)の意味で使われる。eメール、eビジネスなど電子デジタル技術を意味する「e-***」が、日本語の名詞や動詞などのあらゆる言葉につけられる時代に入った感がある。買い物(e-ショッピング)、金融(e-バンク、マネーなど)、学校(e-スクール)、さらには、医療、福祉、選挙、サービス、企業、政府などなど、まさに「e-生活」をめざし、「e-ドリーム」をえがく「e-時代」をむかえている。

映像や音響の分野でもデジタル化が著しい。本号では、映像のデジタル化を特集し、シネマ産業の変遷・今昔から、最近のデジタルシネマの状況と将来展望を取り上げた。

日本の映画館は、ピーク時には7000館もあったという。その後TVなどの影響を受け斜陽化したが、シネマコンプレックスの台頭などで歯止めがかかり、平成5年には1700館(前年比-60+330館)、平成10年には2221館と、映画興行が復活してきている。

一方、情報伝達手段としてのプロジェクタは、高性能化、高機能化が進展し新市場を獲得している。日本電子工業振興協会によれば、1999年の出荷実績は、液晶タイプが65万台(前年比148%)、DMDタイプが7万台(前年比117%)の合計72万台となっている。この市場は2000年に93万台、2001年に130万台、2002年に170万台に拡大すると予想され、年率にして29~40%の伸びが期待されている。

5章「映像産業とウシオグループ」にあるように、デジタル化によって、単なる映像の範囲を超える新しい産業が見えてきた。

今回も多くの方々にご協力を頂いた。執筆者へ深く感謝申し上げる次第です。

筆者は本ライトエッジ誌の創刊から企画・編集に携わってきたが、19号の今回で最後となる。発刊初期のNさん(当時当社顧問)らと共にした苦労がなつかしい。19号をむかえて軌道にのった感がある。継続は力なり。「e-」は「いい」と発音され「良い」に通じる。本誌ライトエッジも、IT(情報技術)とコンテンツ(情報の内容)を充実し、「いい-ライトエッジ」となることを願う。

大埜 邦治

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