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光技術情報誌「ライトエッジ」No.27/特集 放電ランプ(2004年4月発行)

あとがき

光が人工的に作られたとき、主に明かりとして利用された。しかし、産業の発達とともに、光はエネルギーとしてさまざまな分野で利用されるようになった。高効率でクリーンなエネルギーとしてその利用の幅はどんどん広がっている。地球に残されたエネルギーは、石油34年、天然ガス57年、石炭174年、そして原子力は58年。これらを大切にするために、変換効率の高い「光」が注目されている。常温常圧の環境下で、対象に接触せずエネルギー反応を起こせる「光」は、不純物の発生や二次汚染の心配がいらない。

特に最近、環境という視点から評価を受けることがしばしばある。弊社の製品は、環境配慮型製品として省エネ、超寿命、小サイズなどアセスメント評価としても高い評価をいただいている。

ところで、2章で詳細に述べているが、放電ランプはランプの形状や放電の方法、封入物質や圧力など各種要素を精密にコントロールすることによって、それぞれ分光特性や輝度、寿命などさまざまな特長をもつ、多くの種類のランプが活躍している。それらの特長を理解しておけば、設計段階においても製造工程においても、常に最適の選択をスピーディーに行うことができる。全てを完璧に理解しておかなくても、ポイントを凝縮した情報が手元にあれば有効な対応を行うことができる。本特集号は、各ランプのカタログなどと併せてご覧いただければ、最適な選択の一助となろう。

弊社は前身も含めランプメーカとして1世紀近く、光のスペシャリストであるウシオ電機として設立されてからでも40年の歴史がある。この間、困難な課題を乗り越え、今では世界に認められたランプメーカとなった。これまで産業界の技術革新の進歩とともに、求められる「光源」と、その光源を用いた「光ユニット」「光の装置」を数多く創り出してきた。それゆえ、ランプメーカとしての情報提供のみならず、ランプユーザーとしてどのような情報があると役立つのかを把握している。今回の放電ランプ特集は、長年蓄積されてきた放電ランプに関する研究結果をベースに、基礎的な内容をまとめている。単なる「ライトエッジ」15号の増刷版というわけではなく、現在のランプ事情に合わせ、最新の情報を盛り込んでいる。

企画から編集発行まで多くの時間を要し、読者の皆さまをお待たせいたしました。また、ご協力いただいた関係者の方々にもご心配をおかけしました。

最後に、業務の合間を縫ってご協力・ご執筆いただいた、社内・関連会社の方々にお礼申し上げます。

(志賀 浩之)

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