USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.31(2008年10月)

2008年春季 第55回応用物理学会学術講演会

(2008年3月)

完全水銀フリー蛍光ランプの開発

Development of The Perfect Hg-free Fluorescent Lamp
ウシオ電機株式会社
田川幸治,松本茂義,井上正樹,船越充夫,朝山淳哉
Ushio Inc.,
Yukiharu Tagawa, Shigeyoshi Matsumoto, Masaki Inoue, Mitsuo Funakoshi, Junya Asayama
E-mail:y.tagawa@ushio.co.jp

はじめに

これまで開発を行ってきた完全水銀フリー蛍光ランプが、当初予定していた特性に達したので、概要について報告を行う。水銀フリー蛍光ランプについては、神野[1]などによって、これまでにも、報告されてきている。今回,我々のアプローチは、読み取り用に使用されている弊社製外部電極型の希ガス(Xe)蛍光ランプを出発点とした。今回は、技術的なポイントである①発光効率向上と、②長時間の信頼性について報告する。

内容

発光管外観構造:発光管外径Φ8〜l2mm、全長350〜1,500mm、また外観端部構造を下の写真示す。

  • ①発光効率向上:
    電極幅、封入ガス圧について述べる。従来用途と異なり、今回は、全光束を増やすため、一組の細い電極をガラス外表面に2本形成した。この片側の電極幅は、現在、0.5〜1 mmに設定している。封入ガスは、封入圧を最適化した結果、Xe 21kPaとしている。
  • ②長時間の信頼性:
    発光管外表面電極の被覆を、従来の樹脂からフリットガラスへ変更した構成である。

写真. Structure of The Perfect Hg-free Fluorescent Lamp

結果

  • ①発光効率:
    現時点での一例として、色度(0.35,0.35)で、50(lm/W)に至った。(全光東/ランプ入力)
  • ②長時間の信頼性:
    現在、先行している寿命試験では、液晶TV組込み18,000h時点において、
  • ③輝度維持率76%。輝度維持率70%の積算時間は、推定で約6万時間である。
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