USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.33 (2010年8月発行)

2010年春季第57回応用物理学会学術講演会

(2010年3月)

紫外発光タイプの
完全水銀フリー蛍光ランプの開発
Development of The Hg-free UV radiation Fluorescent Lamp

田川 幸治, 松本 茂義, 船越 充夫, 朝山 淳哉, 山田 浩輔

1. はじめに

2008年春季第55回応用物理学会で、完全水銀フリー蛍光ランプの開発について報告した。 今回、紫外線領域を発光する完全水銀フリー蛍光ランプを新たに開発したので、概要について報告する。

水銀フリー蛍光ランプについては、神野1)と、我々2)による報告がある。 今回の開発は、前回報告した完全水銀フリー蛍光ランプ(以下、XEFL)の発光効率の向上に加えて、前回使用していた可視光発光タイプの蛍光体に代えて、紫外発光タイプの蛍光体を172nm励起に最適化した蛍光体を用いた。

2. 内 容

①発光管外観構造:発光管外径Φ9.8~12mm、全長350~1,500mm。 Photo.1に、外観端部構造を示す。 発光管の外表面に細い電極を一対形成している。 電極幅は、使用条件により、1~5mm程度に設定している。 封入ガスは、封入圧を最適化した結果、Xe21kPa としている。発光スペクトルの例を、Fig.1に示す。 いずれの発光スペクトルについても、励起波長を172nmとして蛍光体の発光強度が最大になるように調整を行っている。Fig.1の発光スペクトルの発光元素は、Ceである。

Photo.1 : Structure of The Hg-free UV radiation Fluorescent Lamp

Fig.1 : Spectrum of The Hg-free UV radiation Fluorescent Lamp

3. 結 果

  • ① 発光効率:現時点での一例として、UV3とブラックライトFL15BLBとの相対比較では、発光効率は、同等の結果を得ている。
  • ② 長時間の信頼性:寿命試験では、以前報告した可視光発光タイプのXEFLと同等のUV照度維持率を示している。
  • 1) 神野ほか、例えば第22回光源物性とその応用研究会LS-07-1(2007)
  • 2) 田川:月刊ディスプレイ Vol.14, No.8, P.75(2008)
Copyright © USHIO INC. All Rights Reserved.