USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.34(2011年3月発行)

日本光医学光生物学会

(2010年7月)

空冷エキシマランプとエキシマフィルタ
を用いた紫外線治療機器の開発

木村誠1.2, 佐賀崇1, 二本森辰悟1, 住友卓1,
平本立躬1, 川島徳道2, 森田明理3
1.ウシオ電機株式会社 2.桐蔭横浜大学 3.名古屋市立大学

はじめに

UV光を用いた光線療法は、紫外線によって免疫細胞を抑える治療法であるが、同時に皮膚への紫外線による副作用をどれだけ軽減できるかが重要である。我々はParrishやFisherらの発表した研究結果から、乾癬に治療効果がある(主作用)スペクトルと、日本人の紅斑作用(副作用)スペクトルを数値化し、理想的なスペクトルを求めた。次に理想的なスペクトルにより近い光源を検討し、ナローバンドUV-Bランプ、ブロードバンドUV-Bランプ、水冷エキシマランプ、空冷エキシマランプについて、理想光とのマッチング特性を計算した結果、空冷エキシマランプが最もマッチング率が高いことを示した。次に、この空冷エキシマランプに数種類のするフィルタの検討を行い、最も副作用が少なく、主作用の高いフィルタを開発した。この数種類フィルタを空冷エキシマランプに搭載したものと、ナローバンドUV-Bランプ、ブロードバンドUV-Bランプ、水冷エキシマランプを用いて、主作用効果であるT細胞のアポトーシスと、副作用であるT細胞のピリミジンダイマーの量を測定した。この結果においても、空冷エキシマランプに、このフィルタをつけたものが、副作用が少なく、主作用が高い結果が確認できた。これらの結果から、空冷エキシマランプに主作用が高かったこのフィルタを搭載し、紫外線治療器(セラビームUV308)を作成し薬事認可を取得、乾癬患者、白斑患者に臨床試験を行った結果、高い治療効果が得られた。

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