USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.37〈特集ウシオの新しい取り組み第二回〉 2012年6月発行

シネマ/特殊映像/デジタルサイネージ・メディアファサード

世界のシネマ市場

Kathryn Cress (CDS)、吉田 ひさよ (CDS日本支社)

2011年、全世界のシネマ市場では、デジタルプロジェクションの導入が驚くべきペースで続いている。3Dに対応することと、上映初日から最終日までパーフェクトな画質を保証することへの要求に後押しされ、世界中の劇場が、最新デジタル機器への移行を計画または実施している。

シネマ業界において、長きにわたり卓越した地位を確立しているChristie Digital Systems(以下CDS)は、23,000台に迫るデジタルシネマプロジェクターの納入実績を持ち、劇場の優先的な選択肢であり続けているとともに、業界を大きくリードする立場を維持している。

過去12~18ヶ月間にわたり、デジタルシネマ市場は、製品の需要が供給を大きく上回って、伸びる段階にあった。それにより、あまり好まれていないブランドが出荷できる在庫製品を持っていたために、いくらかのシェアを獲得するという、興味深い現象が起こった。このような状況に対して、CDSは業務上の課題に対処し、生産能力を増強し、この急速に成長する市場の顧客需要を満足させた。

現在、CDSは毎月1,000台のデジタルシネマプロジェクターを出荷しており、さらなる需要増にも対応できる生産能力を備えている。

全世界における3Dコンテンツの継続的な需要と、数多くのヒット作品が上映されるサマーシーズンの到来により、興行収入は好況が続いている。この顧客需要が、さまざまなバーチャルプリントフィープログラムやCDSをはじめとする業界リーダーからの資金助成イニシアチブとともに、引き続き、劇場のデジタル移行を後押しすると期待されている。

現在のデジタルシネマプロジェクターの導入ペースは、全メーカー合わせて毎月2,000~3,000台である。全世界のスクリーン数は140,000であり、2011年の終わりまでには、世界のシネマスクリーンの約50%がデジタルに移行すると業界内で考えられている。

50%の大台を超えた後も、映画会社の資金による映画配給の終焉が迫りつつあるというプレッシャーにより、引き続き、デジタルシネマの急速な普及が維持される見込みである。

2012年は、デジタルシネマ業界にとって、新たな躍進の年となることが期待されている。CDSは、世界をリードするデジタルシネマプロジェクターメーカーとして、また、プロジェクター製品とプロジェクターに最適なランプの両方のソリューションを提供する唯一の企業として、2012年の継続的な成功に向けた好ましい位置を確保している。

写真1. Christie CP4230
CDSのデジタルシネマプロジェクターのフラッグシップモデル。3-chip DMD DLP Cinema chip搭載、4K解像度対応、光出力32,000ルーメンなど、これからの映画上映に求められるすべての機能や性能を備えている。

写真2. Christie CP2230
CDSのデジタルシネマプロジェクターの中で、現在、世界中で最も普及しているモデル。2K解像度(4Kにアップグレード可能)、光出力32,000ルーメン、1台でActiveとPassiveの両方の立体視に対応可能など、大型スクリーンでの3D映画上映に最適な性能を備えている。

写真3. 2011年カンヌ映画祭の会場
CDSはカンヌ映画祭のオフィシャル デジタルシネマプロジェクター サプライヤーに選ばれ、一部の会場でChristie CP4230(デジタルシネマプロジェクターの最高機種)が使用された。

写真4. 映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2」のプレミア試写会
2011年7月、フランス・パリのthe Paris Omnisport de Bercy (POB)で開催。CDSのデジタルシネマプロジェクターChristie CP2230を3台使用し、スタッキングして大型スクリーン(幅約30m×高さ約12m)での上映に成功した。この試写会は、世界で最も大きな3D映画試写会としてギネスブックに登録されている。

Copyright © USHIO INC. All Rights Reserved.