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光技術情報誌「ライトエッジ」No.37〈特集ウシオの新しい取り組み第二回〉 2012年6月発行

シネマ/特殊映像/デジタルサイネージ・メディアファサード

高速シミュレーションのソリューション
Christieの統合ソリューション「TOTALVIEWTM

Larry Paul (CDS)

1. 概要

高性能シミュレーションの世界において、その目標は、目の限界解像度で画像を作り出し、現実の世界を適切かつ正確にシミュレートすることである。残されている困難は、1台でこの目標を達成する十分な解像度を持つプロジェクターが存在しないということである。プロジェクション技術の発展にもかかわらず、目の限界解像度を得ることのできる方法は、複数のプロジェクターを使用することに限られている。さらに、技術と信頼性の限界から、ラスターによる黒の表現や素早い応答時間での成形を可能にしていたCRTの時代は、事実上、過去のものとなっている。

高性能シミュレーションを設計するときに対処しなければならない重要な基準に、

  • ●ジオメトリー
  • ●画像のブレンディング・ワーピング
  • ●色・輝度の均一性
  • ●レイテンシー
  • ●画像の保持性

といった要素がある。

Christie Digital Systems(以下CDS)は、顧客が直面するこのような技術的問題を特定し、問題を解消するソリューションを生み出している。

2. 序文

本稿では、シミュレーション市場向けの統合ソリューションについて述べる。

CDSのツール群であるTrueImageTMには、

  • ●AdvanceColorTMとAutoCalTMの組み合わせ
  • ●MotoBlendTM
  • ●高性能シミュレーション市場専用設計AccuFrameTMがある。

これらの機能は高性能ディスプレイ市場向けに開発されたもので、位置的リソースの要件を低減し、ディスプレイの保守に関する顧客の独立性を高め、より適切で現実的なディスプレイを提供し、業界の各課題に対処している。

3. 色の均一性

IMAGE 2007において、CDSは「マシンビジョンシステムの使用によるマルチプロジェクター固定マトリクスディスプレイの自動較正」という題目の論説を発表した。

結論を要約すると、「このシステムは、適切に較正されたカメラの使用により、さまざまな平面または曲面クリーン形状に正確なジオメトリーアライメントを生み出す高い堅牢性を実証している。」1)と述べられていた。しかし、「色は、熟練技術者が期待した結果にはいまだ遠く及ばない。標準的な消費者向けまたはマシンビジョンCCDカメラを使用するシステムでは、技術者が作り出す結果の近くに到達することはできない。」(要約)2)という記述もあった。このことは、書籍「PracticalMulti-Projector Display Design」(マルチプロジェクターディスプレイの実践的設計)でさらなる検証が行われている。「カメラの三次元色空間がプロジェクターの色空間を含まない場合、そのプロジェクターが映し出すすべての色は測定不可能である。よって、装置に依存する三次元色空間での作業は制限される。それ故、あらゆる色の測定にカメラを使用することはできず、輝度測定だけが可能である。」3)

この欠点に対処するために、CDSは自動較正システム用のAdvancedColorTMオプションを開発した。CDSは、業界の標準的な精密色差計を使用し、素晴らしい結果をもたらすソリューションを現実世界のコンテンツに提供した。自動的に導かれるプロセスを介して、各プロジェクターの複数の測定が行われ、その結果を直接コンピュータに取り込むことで、ディスプレイの実際の出力が正確に測定される。色差計は、複数のプロジェクション装置を管理する自動較正コンピュータへ直接的にフィードバック出力を送る。色差計は、マシンビジョンカメラをベースとするシステムよりもはるかに感度が高く、複雑なディスプレイシステムを扱う技能を必要とせずに、システムの色の均一性を較正する非常に精密で正確な方法を提供する。これは、現実世界の用途においてエンドユーザーが熟練技術者の結果を達成するための現実的かつ実践可能なソリューションである。要求があれば、費用はかなりかかるが、マルチフィルター色差計や分光放射色差計といった、他のより高感度な測定装置も考慮することができるだろう。

4. 暗いシーンのコンテンツにおける画像ブレンディング

昨年の文書で述べられていなかった付加的な領域が、プロジェクターを使って夜のシーンを表現することに関する問題であった。

日中のシーンのコンテンツについては、電子ブレンディングがオーバーラップ部をブレンディングして画像を均一化する素晴らしい方法を実現する。ところが、あらゆる非CRTシステムによる夜のシーンの表現は、新たな機会と新たな課題をもたらしている。

CRTプロジェクションが高性能シミュレーション市場における選択の主流技術であったころは、CRTのラスターを曲げることで、コンテンツをスクリーン上に簡単にマッピングすることができた。複数のプロジェクターを管理するには、画像の明るいオーバーラップ部をブレンドして均一な画質を作るために電子ブレンディングがもっともよく使われた。さらに、CRTプロジェクターでは、暗さのブレンディングを管理する必要がなかった。単に電子ビームをオフにすることで蛍光体がオフになり、目に見えるラスターが存在しなくなるために、夜や暗いシーンのコンテンツで非常に写実的な黒い画像を表現した。しかし、CRTプロジェクションシステムの技術は、数多くの利点を持っていたにもかかわらず、その限界から、最新のプロジェクション設計からは実質的に姿を消している。

最新のプロジェクターは高い安定性、輝度、信頼性を持っているが、黒い画像において映写機構部からの光の漏れを完全に排除することができない。この問題は主流プロジェクション市場の大部分には完全に受け入れられているが、高性能シミュレーション市場では、目の限界解像度という目標を達成するために、また昼夜を問わず曲面スクリーンや球形スクリーンに適切な焦点を維持するために、複雑なプロジェクターの組み合わせをブレンドすることが一般的に要求される。

問題は、シミュレーションディスプレイにおいてスクリーンのあらゆる特定の範囲に通常2~4台のプロジェクターがオーバーラップすることである。これは、明るいコンテンツについては電子ブレンディングを使用することで問題にならないが、残存レベルの周辺光の漏れがオーバーラップ部で各プロジェクターに付加されることは、電子的な方法で取り除くことができない。市場によっては、オーバーラップしていない周囲のレベルを上げるというアプローチで対処しているが、このコントラスト比の減少は、シミュレーション市場の要求事項では容認されない。

図1. 複数のプロジェクターに取り付けられたMotoBlendTMが電子ブレンディングと併せて使用される。

暗いシーンのオーバーラップをなくす別の方法として、ブレンド領域にメカニカルフィルターを加えることがある。ただし、この方法は昼間のシーンのコンテンツには適しておらず、自動較正が行われているときは管理が難しい。さらに、プロジェクションの構成によってはフィルターの形状が極めて複雑になる。

図1~5は、最近の導入例において、昼のシーンと夜のシーンのコンテンツが含まれるフライトシミュレーションに使用するコリメートディスプレイシステムのセットアップ時に撮影した写真である。これらの写真は加工されておらず、正しく見るためには高品質なモニターが必要になる可能性がある。

複数のプロジェクターを使用する場合、業界の一般的な課題は、一貫した輝度の均一性を得るために、大きなディスプレイのエッジブレンディングとタイリングを正確に行うことであった。CDSは、問題の徹底的な研究とレンズおよびプロジェクターのテストを経て、独自のアプローチを開発した。光学ブレンディング機能を使ってこのような問題に対処することが、ChristieMotoBlendTM の開発につながった。MotoBlendTMでは、図1に示すように、光学ブレンディングと電子ブレンディングを併用している。

当社は、独自のコンピュータ支援設計とアルゴリズムを開発してカスタムブレンドフィルターを作成し、またプロジェクターと接続され、プロジェクターを動力源としてその光学フィルターを脱着するソリューションを生み出した。このフィルターは、昼間のシーンでの使用時やAutoCalTMの較正プロセス時は格納されており、夜間のシミュレーションで装着される。プロジェクターのエッジブレンディング機能を光学ブレンディングの併用によって最適化することで、暗い(夜間の)シーンや明るい(昼間の)シーンといったあらゆるタイプのコンテンツについて、最適なブレンドが行われるとともに、最大コントラスト比は常に維持される。

この独自のプロジェクターアクセサリーシステムの主な利点は以下のとおりである。

  • 1. 夜のシーンで複数のプロジェクターによるオーバーラップがあるときのグレーシームの問題を解決し、夜のシーンの画質を向上する。
  • 2. 最大4面の、正確で再現精度の高いフィルター位置/角度の設定。
  • 3. 電子ブレンディングとの併用で、昼間のシミュレーションから夜間のシミュレーションへ迅速な変更が可能。
  • 4. 最適な昼間のシーンを表現するためブレンドフィルターを手動で取り外す必要性を排除し、自動較正を実現。
  • 5. 動力と制御をプロジェクターから直接引き出し、ケーブルの追加は不要。

図2. 航空機シミュレーションでコリメートディスプレイの上部に取り付けられたプロジェクター

図3. コックピットから見るフロントウインドウの外(昼間 MotoBlendTMなし)

図4. フロントウインドウの外(夜間 MotoBlendTMなし)

図5. フロントウインドウの外(夜間 MotoBlendTMフル使用)

5. 時間解像度と画像保持

CRT技術は、長年にわたり、高性能シミュレーション市場で利用できる、動きの不鮮明さに関する良好な結果をもたらす唯一の技術であったが、その製品は非常に高い頻度で保守整備を必要とし、現在のシミュレーション市場に要求される高解像度の再現能力がなく、現実的ではなかった。従来、DLP®技術は、レイテンシーの問題と動きを不鮮明にするアーチファクトにより、シミュレーション市場には受け入れられていなかった。I/ITSEC 2006において、CDSは、低レイテンシー電子技術を補完すべく、当社の3チップDLP®シミュレーションプロジェクター製品における、動きによって引き起こされる不鮮明さに対処することを具体的な目的とした向上技術、AccuFrameTMを発表した。CDSは、AccuFrameTMを開発することで、画質に悪影響を与えることなく不鮮明さを低減または排除する、完全に調整可能なソリューションを作り出した。

シングルチップDLP®プロジェクターは、動きの不鮮明さに加えレインボー効果やレイテンシーといったアーチファクトがあるため、高性能シミュレーションで機能することは証明されていない。この製品はシングルチップとカラーホイールを持つだけで、AccuFrameTM技術の実装に必要な処理能力はない。

昨年のImage協議会では、AccuFrameTMについての言及はなかった。しかし、Image 07では、Nasa AmesのBarbara T. SweetとVDC Display SystemsのTimothy M. Hebertにより、「動きによって引き起こされる不鮮明さが窓の外の視界を表現するシステムの性能に与える影響」と題する論説が発表され、以下のような結論が述べられている。

「画像に素早い動きがある場合のCRTプロジェクターの性能が、たびたび他の技術の比較基準として使用されている。他の技術には、その技術の魅力を高める、CRTプロジェクターよりも優れた点がある。しかし、そのようなプロジェクターは、動画における応答性を改善して、引き続きシミュレーション業界の興味を引くものであることを検証する必要がある。」4)

前回のImageの後、米空軍研究所(AFRL)は、2007年11月のI/ITSECにおけるレポート「ディスプレイの時間解像度測定のタスク検証」を発表した。

AFRLの論説の概要は以下のとおりである。

「先日、われわれは、空軍フライトシミュレーターで使用されるディスプレイの時間解像度の知覚評価方法について述べた。その方法は、移動する2本の垂直線から成る簡単な刺激の知覚される不鮮明さの評価に基づくものであった。今回の研究では、高性能な空軍フライトシミュレーターで、前回の方法を訓練で行われる可能性がある簡単なタスクにおける性能と直接的に関係づけることにより、その方法の検証を試みた。データの取得は、観察者に、1) 動くターゲット機F-16が観察者の視野を横切って移動するときに傾いたか否かを検知する、2) 機体のピッチを変更することで、関連して動く地形が不鮮明になったか否かを判断する、ということを依頼して行った。動画像の不鮮明さのレベルは、デジタル(DLP®)プロジェクターの各フレームで画像が表示された時間の長さ(投影保持時間)によって判断した。その結果を、テストしたDLP®の最小保持時間の約1/4の有効保持時間を持つ標準的なCRTプロジェクターを使用して得られた結果と比較した。横揺れ検知と機体ピッチの両方のタスクについて、DLP®の保持時間を6msec未満に減らした場合、DLP®プロジェクターを使用した場合の結果がCRTを使用した場合の結果と大きく異なることはなかった。この結果は、より簡単な動く線によるテストで得られた結果と質的に一致しており、後者がフライトシミュレーター用途におけるディスプレイの時間解像度の有効な測定であることを示している。」5)

「一般的にCRT(今回の場合はBarco 909)は時間解像度の標準と考えられており、現在ほとんどの空軍フライトシミュレーターで使用されているディスプレイ技術である。今回テストしたDLP®のようなサンプルホールド型ディスプレイは、長い保持時間とその結果として生じる動画像の不鮮明さから、一般的にフライトシミュレーションには認められていなかった。ところが、今回評価したDLP®プロジェクター(クリスティMatrixS+2K 1400x1050)は、DLP保持時間を約5.8msecに減らした場合、CRTとほぼ同様に機能した。ディスプレイ性能は、空軍フライトシミュレーションで行われるものと同様の空対空ターゲット速度と機体ピッチレートを使って評価しており、保持時間を約6msec未満に減らすことができるデジタルプロジェクターであれば数多くのフライトシミュレーター用途に適合する可能性があるということが示された。ただし、高速フライトシミュレーションにおけるディスプレイ性能のさらなるテストが必要である。より厳しいテストとして、低空飛行時の地上ターゲットの検知や識別がある。その場合は、地形の不鮮明さも、静止地上ターゲットさえ識別不能にする可能性がある要因となり得るだろう。

一般的に、動画像の不鮮明さは、主観的評定を使用して、またはさまざまな方法で速度とディスプレイの特徴に応じた不鮮明さの量を測定することによってのみ、評価されていた。今回、われわれは、ディスプレイの時間解像度、ひいては動画像の不鮮明さが、フライトシミュレーションと訓練に関するタスクにおける性能にどのように影響するかということを述べた。今回の結果は、保持時間を5.8msecに減らしたサンプルホールド型ディスプレイは高速ジェット機フライトシミュレーションに認められるだろうということと、6~8msecの大きな保持時間でも十分だろうということを示している。さらにわれわれは、安価な装備を使って簡単に得ることのできる測定が、知覚される不鮮明さだけでなく、動画像の不鮮明さに影響されるフライトタスクにおける性能の予測にも十分であるということを示している。」6)

CDSは、高性能シミュレーション市場でのディスプレイの課 題に対 処することを具 体的な目的としてAccuFrameTMを開発し、高速シミュレーションにおける不鮮明化の影響を現実的な方法で排除した。

AccuFrameTMの保持時間は電子的に調整可能である。6 msecを大きく下回って減らすことができ、高速の動きに起因する画像のアーチファクトを排除または大きく低減する。オブジェクトはシャープかつクリアに表示され、観察者はオブジェクトをより簡単に追跡することができる。

目標は、現実の世界にできるだけ近く見えるシミュレーション環境を作ることである。その一例は、移動する車に乗って簡単に実演することができる。窓から外を見て、車の脇を通り過ぎる物体を目で追うだけである。目で追っていないときの物体は、速度と車からの距離によって、不鮮明に見える。物体を目で追うと、速い動きであっても詳細を明瞭に観察することができる。ただし、現実の世界であっても、車からの距離が近すぎる物体は非常に速く移動し、目で追うことができないということになる。目標は、このわずかな、それでいて重大な特性を現実に倣って正確に再現する、コンバットシミュレーターや、フライトシミュレーター、ドライビングシミュレーターを作り出すことである。このことが、ポジティブなシミュレーション訓練環境を推進するシミュレーションシステムとネガティブな訓練状況をもたらすシミュレーションシステムの重大な違いである。

独立した第三者によって行われ、I/ITSEC 07で提示された研究論文で発表された、DLP®技術と他のシミュレーションプロジェクションシステムの直接比較の結果は、この点を強調および例証している。7) 米国空軍との間で交わされた既存のA10ジェット機シミュレーターの改装契約は、クリスティのAccuFrameTMを備えるDLP®シミュレーションソリューションが市場におけるもっとも自然で現実に近いディスプレイソリューションをもたらすということが証明された後で固められた。AccuFrameTMは、既存のシミュレーションCRTプロジェクターと、最新競合シミュレーション製品であるLCoS QXGAプロジェクターの両方に対してテストされ、接近銃撃戦における優位性が証明された。8)

現実の世界の例では、CR Tプロジェクターと1600x1200のコンテンツ、スミア低減機能付き専用QXGAシミュレーションプロジェクターLCoSと2048x1536のコンテンツ、AccuFrameTMを有効にした3チップDLP®プロジェクター(Christie Matrix S+2K)と1400x1050のコンテンツという3つが競い合い、昼間のシーン、夜間のシーン、統合ニュートラルデンシティフィルターによるNVGスティミュレーションを含む完全テストといった、さまざまな高性能シミュレーション環境において、動きの不鮮明さのアーチファクトについてテストされた。

Christie 3チップDLP®プロジェクターの批評は、参加したテストパイロットから、次のようなコメントを受けた。
「とても現実的だった。」
「もっとも低い解像度の貴社製品は最低の評価になると考えていたが、最高であった。」
「スクリーンが現実の世界のように真っ暗になり、NVGスティミュレーションは素晴らしかった。」
「不鮮明になることがなかった。」

この銃撃戦において、参加パイロットが強調したさらなるキーポイントは以下のとおりである。

  • 1. LCoSとCRTはともに、夜間のシーンで非常に明るかった。DLP®プロジェクターはもっとも暗い設定(IGの最低設定は上(下)弦の月)にすると裸眼では何も見えなかったのに対し、LCoSとCRTでは見えるものがあった。
  • 2. 2つのデジタル技術の中では、DLP®技術の画像がLCoSよりも優れていた。DLP®の画像はシャープかつ鮮やかで、詳細部の鮮明度も高かった。動きの速い物体によって他の技術は不鮮明になったが、DLP®の画像は不鮮明になることがなかった。
  • 3. デジタル技術は窓の外の視界をより自然に表現した。DLP®技術はアーチファクトの量がもっともすくなく、自然な視界をもたらした。

このような推薦の言葉により、シミュレーションの不鮮明なアーチファクトを低減する技術が組み込まれているDLP®プロジェクションディスプレイ技術へプロジェクトを移行することが提案された。プログラムオフィスは以降の必要条件としてDLP®プロジェクターへの切り替えを元請業者に依頼した。CDS独自のAccuFrameTM機能によって強化された3チップDLP®技術は、高性能シミュレーション市場における素晴らしいCRT交換ソリューションであることが証明された。

図6. Christie Matrix HD2プロジェクターを3台使った
解像度4.5arc-min/olpの投影面

図7. 毎秒20°で回転する戦車の砲塔の視点
中央のプロジェクターはAccuFrameTMオン、上下のプロジェクターはAccuFrameTMオフ。

6. 結論

目の限界解像度という目標を達成するには複数のプロジェクターが必要となるが、その設置と運用には難題がある。クリスティは、昼間と夜間/NVGの画質をともに妥協することなく高性能シミュレーション市場の重要な要求事項に対処することを具体的な目的とした、ディスプレイシステムの運用を簡単にする一連の統合ツールを開発した。

重要なこととして、不鮮明、二重画像、レイテンシー、ターゲットの認識不良といった、高速シミュレーションの要求事項に直接関係する主な問題に対処する必要がある。私たちは、速く動くコンテンツの明瞭さが肝要となるシミュレーション環境の最高のソリューションはDLP®技術であると考えている。単一環境における遅く離れた動きと速い動きのギャップを埋めることは、画像アーチファクトを排除し、もっとも現実に近い、フレームに狂いのないディスプレイを実現する。このことは、独立した第三者の研究論文で行われた、DLP®技術と他のプロジェクションシステムの直接比較の結果によって例証されている。

このような機能は、高性能ディスプレイ市場の要求事項に対応することと、位置的リソースの要件を低減し、ディスプレイの保守に関する顧客の独立性を高め、現実の世界をもっともよく再現する最適化されたディスプレイシステムを提供するという、業界の課題にひとつひとつ対処することを、具体的な目的として開発されている。

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