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光技術情報誌「ライトエッジ」No.37〈特集ウシオの新しい取り組み第二回〉 2012年6月発行

シネマ/特殊映像/デジタルサイネージ・メディアファサード

ディスプレイ技術の双方向性

Salman Hemani (CDS)、 吉田 ひさよ(CDS日本支社)

「触って何も起こらないのなら、おそらく壊れている」――少なくとも北米ではこのように言われている。iPadなどの消費者向けタッチディスプレイ製品の進化により、すべての人がディスプレイに触れると、反応することを期待している。これが、Christie Digital Systems(以下CDS)がタッチの新たなレベルをもたらす双方向ディスプレイの開発に投資している理由である。

既存のタッチソリューションは、認められるタッチポイントの数が限られており、タッチポイントを増やすと、タッチポイントを検出するアルゴリズムの複雑性も高まり、CPUに、より多くの処理を要求する。

CDSのモジュラータッチソリューションは、複数のタッチポイントをリアルタイムで許容し、タッチポイントの計算は内蔵プロセッサーで行われる。このシンプルなアプローチにより、反応時間を短縮することができ、大面積双方向ディスプレイの作成が可能になる。

2011年6月のInfoCommにおいて、CDSは、完全な双方向性を実現した199インチMicroTilesTMウォールを実演した。さらに、CDSのタッチ技術は、検出された物の厚みを検知することができ、これにより既存製品を大きく超える興味深い用途が可能となる。

写真. 大面積双方向ディスプレイのMicroTilesTM (43台使用)
米国のプロフットボールチーム・マイアミドルフィンズのホームスタジアム「サンライフスタジアム」のサポーター(ファンクラブ)専用フロアに設置。インタラクティブに映像表示を変えて楽しめる仕掛けになっており、自分の好きなプレイヤーの映像から、過去の試合結果やその日のゲームの見どころまで、観客の好みに合わせて映像が表示される。レーザーセンサーを使い、観客がディスプレイに表示されたメニューに手をかざすと、その位置を検知するという仕組み。この仕組みは、CDSとカナダのアーセナルメディアが共同開発し、「Buzz WalTM」というソリューションでパッケージ化した。「Buzz WalTM」は既に北米の数ヶ所に導入されている。

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