(2016.09)
第77回応用物理学会秋季学術講演会
a-Ge膜のFLA結晶化における場所依存性
Location dependency of a-Ge film by Flash lamp annealing crystallization
吉岡 尚輝1、部家 彰1、松尾 直人1、中村 祥章2、横森 岳彦2、吉岡 正樹2
1.兵庫県立大工、2.ウシオ電機(株)
緒言
高効率なGe膜の作製のために,我々はフラッシュランプアニール(FLA)での低温結晶化を検討している。これまでに低印加電圧時(2600V)では固相結晶化(SPC),高印加電圧時(3400V)では溶融結晶化(LPC)の結晶化過程が行われていることを明らかとしている1)。本研究ではa-Ge膜にFLAを照射した時の基板内でのa-Ge膜の場所、サイズでの結晶化領域の変化を評価し、Ge膜の結晶化の差異を評価した。
実験方法
電子ビーム(EB)蒸着法により,基板温度RTで膜厚60nmのa-Ge膜を20×18mm2の石英基板上に4種類のメタルマスク(MA,MB,MC,MD)を用いて石英基板上にアイランド状に堆積速度0.2nm/sで堆積させた。FLAの照射条件は予備加熱温度400℃、照射回数1shot,ランプ印加電圧2600V,3400Vの条件でそれぞれ結晶化を行った。結晶性評価には,ラマン分光法を用いた。
結果と考察
FLA照射を行った各a-Ge膜の写真を図1に示す。溶融結晶化では白く透明な結晶相ができている。固相結晶化では灰色に変色している。図2にFLA照射を行ったa-Ge膜での各アイランドの結晶相の光学写真を示す。溶融結晶化では円状全体に結晶のような物が見られ、固相結晶化ではMA,MCでは円状に層をつくるように黒い粒上のものが確認された。MB,MDでは黒い粒状のものが見られなかった。各資料のラマンピークを図3に示す。すべての条件で高い結晶化率を得ることができた。溶融結晶化では、アイランドのサイズが大きいほど高い強度を得ることができた。
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掲載誌:ライトエッジ2017