USHIO

(2017.03)
日本金属学会 2017春季講演大会

円柱状a-Ge膜のフラッシュランプアニール結晶化

吉岡尚輝1、部家 彰2、松尾直人2、中村祥章3、横森岳彦3、吉岡正樹3

兵庫県立大工(院生)1、兵庫県立大2、ウシオ電機(株)3

 

【緒言】

 

GeはSiに比べ電子移動度が大きく低温での結晶化が可能である。またGe膜の低温結晶化は薄膜トランジスタや薄膜太陽電池の特性向上のために重要な技術である。これまでにGe膜の固相結晶化(SPC)と液相(溶融)結晶化(LPC)の差異や点欠陥の挙動について検討している[1]。またGe膜のフラッシュランプアニール(FLA)結晶化におけるSiOxキャップ膜の効果も検討している[2]。本研究では円柱状a-Ge膜のアイランド直径とFLA結晶化により作製した多結晶Ge(poly-Ge)膜の結晶性の関係から円柱状a-Ge膜の結晶化機構を検討した。

 

【実験方法】

 

電子ビーム蒸着法により,基板温度RTで膜厚60nmのa-Ge膜を20×18mm2の石英基板上にメタルマスクを用いて石英基板上に円柱状に堆積速度0.12nm/sで堆積させた。アイランド直径は0.1~1mmとした。FLAの照射条件は予備加熱温度400℃、照射回数1shot、ランプ印加電圧2600V、3400Vの条件でそれぞれ結晶化を行った。表面形状は光学顕微鏡と触針式表面形状測定器、結晶性はラマン分光装置(Ar+レーザ、波長514.5nm)により評価した。

 

【結果】

 

光学顕微鏡像からFLA照射前後でアイランド直径に変化は見られなかった。2600V、3400V共にアイランド端部に白いリングが見られ、アイランド直径と共に増加していく傾向を確認できた[3]。Fig. 1 (a)にランプ印加電圧3400Vの条件でFLA結晶化を行ったGe膜の白いリング端の幅とアイランド直径の関係を示す。ラマンスペクトルから得られた結晶相のピーク位置をFig. 1 (b)に示す。Fig.1 (b)から、アイランド直径が増加するにつれて膜応力も増加する傾向が見られ、Fig.1 (a)、(b)の結果からアイランド直径が大きくなると白いリング幅と膜応力が共に増加していくことが確認できた。この事は膜応力に起因する凝集がアイランドの直径に関係し、poly-Ge膜の結晶欠陥密度に影響を与えたと考えられる。

[1]平野翔大他:日本金属学会2015年秋期講演大会, P166, 2016
[2]吉岡尚輝他:日本金属学会2016年春期講演大会, P77, 2016
[3]吉岡尚輝他:第77回応用物理学会春季学術講演会, 14p-B7-14, 2016