第83回 応用物理学会 秋季学術講演会
(2022)


レーザリフトオフ法を用いたUV-B AlGaN系発光素子の縦伝導デバイスの作製


西林到真1,  大森智也1,  下川萌葉1,  薮谷歩武1,  長谷川亮太1,  岩山章1,2,
岩谷素顕1, 竹内哲也1, 上山智1, 三好晃平3, 難波江 宏一3,山口顕宏4, 三宅秀人2

1名城大・理工,  2三重大院・工,  3ウシオ電機㈱,  4西進商事㈱

T. Nishibayashi1,  T. Omori1,  M. Shimokawa1,  A. Yabutani1,  R. Hasegawa1,  S. Iwayama1,2,
M. Iwaya1,  T. Takeuchi1,  S. Kamiyama1,  K. Miyoshi3,  K. Naniwae3,  A. Yamaguchi4, and  H. Miyake2


1Fac. Sci & Tec., Meijo Univ., 2Grad. E. & E. Eng., Mie Univ., 3Ushio Inc.,4Seishin Trading Co., Ltd

 

本グループではサファイア上に作製した格子緩和したAlGaN上にUV-Bレーザーダイオード(LD)の室温パルス発振を報告した.そこで本報告では,高出力化が期待できるサファイア基板を除去した縦伝導デバイスの作製を検討したのでその結果について報告する.
作製したデバイスの断面構造図をFig. 1に示す.本実験では横型利得導波型LDにおいて閾値電流密度が約30 kA cm-2でレーザー発振するウェハーを用いて縦型デバイスを作製した.1cm角に切り出したウェハーにp型電極,絶縁膜を形成後,Au/Snハンダを用いてSiC支持基盤に接合し,サファイア側から波長257 nmのパルスレーザによりレーザリフトオフを行った.その後,研磨,ICPエッチングによりn-AlGaN層を露出させ,ICPエッチングによりメサ加工,n電極形成,絶縁膜形成,さらにはへき開によりレーザーバーを形成した.作製したデバイスサイズは共振器長700 µm,p型電極幅5 µmである.パルス幅50 ns,パルス周期500 µsによるパルス駆動で評価を行った.Fig. 2に代表的な特性として端面から測定した発光スペクトルを示す.結果として, 良好なシングルピークを確認し,電流値増大に対して光強度の増加を確認した.また,サンプルによっては電流密度30 kA cm-2程度まで動作するデバイスも存在した.その一方で,同一電流値における動作電圧が横型デバイスよりも5V程度高く,TLM測定の結果からn型電極の形成プロセスに課題があるとことがわかった.







    
                                                  Fig.1 デバイスの断面構造図

 




 

                                                               Fig.2 発光スペクトル






[謝辞]
本研究の一部は文部科学省・私立大学研究ブランディング事業,JST-CREST (No. 16815710),JST-A-STEP(JPMJTR201D),NEDO先導研究,および科学研究費補助金基盤研究A(22H00304)の援助により実施した.
 
           

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