はじめに

ポリアセタールは、機械的強度および剛性に優れており、金属に代わるエンジニアリングプラスチック材料として注目されている。しかし、多くのプラスチックと同様に、接着剤や粘着剤との親和性は乏しく、プライマーの組合わせによる塗装などが試みられているが、直接表面処理の報告は少ない。

そこで、表面の改質が必要となる。そこで我々は、ArFエキシマレーザーの光化学反応による改質法を試みたが、それによっても表面の親水化は困難であった。そこで、真空紫外ランプ光（172nm）と水を用いて、ポリアセタール表面の親水化を行い、ArFレーザー光（193nm）よりも効果大であることが明らかになったので報告する。

実験方法および結果

水を介して、アセタール樹脂フィルムに真空紫外ランプを0～10分間照射した。その後、改質表面と水との接触角を測定し、試料の親水性を評価した。その結果をFig.1に示す。この図から明らかなように、未処理では80度であった水との接触角が、5分間のランプ照射によって、接触角を約25度にすることができた。