USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.1(1995年冬発行)

第41回応用物理学関係連合講演会講演予稿集

(1994年春季)

30p-ZE-2
誘電体バリア放電Xe2エキシマランプによる
石英ガラスのUV/O3洗浄
UV/O3 Cleaning of Slica Glasses with Xe Excimer Lamp

ウシオ電機(株)磯 慎一 五十嵐龍志 野澤繁典 団 雅史 松野博光 平本立躬
USHIO INC. S.lso T.Igarashi S.Nozawa M.Dan H.Matsuno T.Hiramoto

1.はじめに

誘電体バリア放電Xe2エキシマランプ(1)を用い、石英ガラスのUV/O3洗浄を試みた。放射スペクトルは172nm単色光(半値幅14nm)であり、酸素に強く吸収され(低圧水銀ランプの184.9nmの吸収係数の1桁以上大)、直接、活性度の高い酸素原子O(1D)を生成出来る(<175nm)。照射窓付近でのオゾン濃度、酸素原子濃度は上記効果により、従来の低圧水銀ランプに比較し高濃度であると考えられ、この効果が洗浄力に及ぼす効果を検討した。

2.実験

エチルアルコール洗浄後の石英ガラス板(GE214)を大気中で本ランプ(20W)と、ウシオ電機製高出力低圧水銀ランプ(450W)を用い、時間を変化させ、照射した。試料温度は本ランプでは照射前後で変化なく23°C、低圧水銀灯照射後は約50°Cであった。清浄度評価を純水の接触角、XPSにより行った。

3.結果

図1に結果を示す。接触角は未照射で45度、本ランプ照射後30秒、60秒、120秒でそれぞれ11度、9度、4度と変化した。低圧水銀ランプの場合、5度以下には240秒要した。この結果とXPSの結果も矛盾しない。これら結果から温度を考慮しなくとも、本ランプは低圧水銀ランプの洗浄速度の2倍、試料温度を考慮すれば約4倍と考えられる。

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