我々はこれまで誘電体バリア放電を利用して形成された、希ガスあるいは希ガスハライドのエキシマからの放出光を出力するランプの開発を進めてきた。既に実用化されているXe₂^＊エキシマランプは、合成石英ガラス管を2本同軸に配置して放電容器の両外面に電極を形成し、中空円筒内にガスを封入して放電を形成する構造を持つ^（1）。しかしながら、合成石英ガラスは160nm以下の波長の光を透過しないため、この波長以下のエキシマ光を出力するためには他の光学材料に依らなければならなかった。

そこで今回報告するランプは、図1に示される様に放電円筒管端面に窓材としてふっ化マグネシウム（MgF₂）を用い、その他は従来のランプとほぼ同様の構造を持つ。

ArおよびKrのガス圧と放電ギャップの積pdが20kPa・cm、ランプ電力PLが20Wにおける放射スペクトルを図1に示す。Ar、Kr、それぞれ126nm、146nmに最大値を有し、半値幅はそれぞれ約10nm、13nmである単色光が得られた^（2）。また、放射出力はXeと比較してそれぞれ約1/10、1/4であった。なお、その他の詳細については講演で報告する。