USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.1(1995年冬発行)

照明学会全国大会講演予稿集

(1994年7月)

27. 誘電体バリア放電を利用した
ヘッドオン型Xe2*エキシマランプの特性
Head‐on Xe2* Excimer lamp with Dielectric Barrier Dischages

朝比奈 隆 松野博光 五十嵐龍志 平本立躬 大西安夫 菱沼宣是 笠木邦雄
ウシオ電機株式会社
T.Asahina H.Matsuno T.Igarashi T.Hiramoto Y.Ohnishi N.Hishinuma K.Kasagi

1.はじめに

真空紫外領域の光源として誘電体バリア放電を利用したエキシマランプが知られている1)2)。このランプは形状の自由度が大きいという特徴があり、同軸円筒型や平板型などが報告されている。上記の構造のランプは、比較的大きな面積を照射するのに適しているが、真空装置内などに置かれた試料に小さな窓を通して外部から光を照射するのは不向きである。そこで、われわれは、放電ランプの軸方向からエキシマ光を取り出す、ヘッドオン型誘電体バリア放電Xe2*エキシマランプを開発した。

2.ランプの構造及び特性

図1にヘッドオン型誘電体バリア放電ランプの概略を示す。放電管は、外管、内管の二本の合成石英ガラス管を同軸に配置した円筒型で、内側管及び外側管の外部表面にそれぞれ、アルミニウム蒸着電極を設けた。ランプの一端に合成石英板からなる光取り出し窓を設けて、放電柱と直角に、ランプの軸方向にエキシマ光を取り出す。

放電用ガスとして約40kPaのXeを使用した結果、中心波長172nm、半値幅14nmの単色光的なエキシマ光が得られた。図2に光取り出し窓からの距離と放射照度分布の関係を示す。試料ランプは外径:25mm、放電ギャップ長:4.5mm、電極長さ:130mmである。光取り出し窓からの距離が100mmにおける放射照度は、照度のピーク値を100%とした場合、相対照度80%の範囲は直径30mmの円となった。また、100mmの位置における平均の放射照度は同軸円筒型を使用した場合の約5倍になった。

3.おわりに

ランプ形状の自由度が大きい利点を生かしてヘッドオン型誘電体バリアランプを開発した。光取り出し窓から100mmのところで放射照度はサイドオン型の約5倍になった。

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