USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.1(1995年冬発行)

照明学会全国大会講演予稿集

(1994年7月)

28. 誘電体バリア放電を利用した
XeCl*エキシマランプ
XeCl* Excimer lamp with Dielectric Barrier Dischages

相浦良徳 松野博光 五十嵐龍志 平本立躬 大西安夫 菱沼宣是 竹元史敏
ウシオ電機株式会社
Y.Aiura H.Matsuno T.Igarashi T.Hiramoto Y.Ohnishi N.Hishinuma F.Takemoto

1.緒言

紫外線用光源のひとつに、誘電体バリア放電を利用したエキシマランプが知られている1)2)。このランプの形状としては、同軸円筒型(図1)や平面型などがあり、Kogelschatzら1)によって報告されている。このうち、我々は同軸円筒型の誘電体バリア放電ランプを使用し、308nmに発光中心波長を持つXeCl*エキシマランプの特性の詳細を調査したので、ここに報告する。

2.実験方法

今回使用したランプの概略図を図1に示す。同軸円筒型ランプの内側にAl蒸着電極、外側に金属金網電極を設け、Xeガス及び塩素ガスを封入した。Xeガスと塩素ガスの混合比率、封入圧力、放電ギャップを変化させて諸特性を測定した。その後、シールオフし、放射強度の経時変化を調べた。

3.実験結果

XeCl*エキシマランプより発せられるエキシマ光の分光分布を図2に示す。308nmのエキシマ光以外の波長の放射はほとんど無い単色光のランプである。

塩素濃度が0.4%で、封入ガスの圧力が33kPaで、E/pの値が70V/(cm・kPa)の時、効率が最大になった。また、上記条件のランプの放射強度の経時変化を図3に示す。ランプ入力電力は約20Wで点灯した。その時、放射強度は1200時間において初期出力の約80%であった。

4.結言

ランプ入力電力が20Wの円筒型ランプで、塩素濃度が0.4%、E/Pが70において、308nmに発光中心波長を持つXeCl*エキシマ光が効率約10%で得られた。また、1200時間点灯後も初期出力の約80%を維持できるランプが得られた。

Copyright © USHIO INC. All Rights Reserved.