USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.1(1995年冬発行)

照明学会全国大会講演予稿集

(1994年7月)

29. エキシマ光照射装置
Excimer Photon Source

広瀬賢一 菱沼宣是 大和田樹志 松野博光 平本立躬 五十嵐龍志 大西安夫
ウシオ電機株式会社
K.Hirose N.Hishinuma T.Ohwada H.Matsuno T.Hiramoto T.Igarashi Y.Ohnishi

1.緒言

新しい真空紫外光源として、誘電体バリア放電を利用したエキシマランプが知られている1)2)。このランプは、従来の放電ランプでは得られない波長の光を、効率よく得られるという特長がある。我々は、同軸円筒型のエキシマランプと反射鏡を組み合わせることで、広い面積を均一に照射できるエキシマ光照射装置を開発した。本報告では、308nmに発光中心波長を持つエキシマランプを内蔵した照射装置について述べる。

2.エキシマ光照射装置

本装置は電源、照射ユニット、ランプユニットで構成する。照射装置の外観を図1に示す。照射ユニットの照射口は100×100mmであり、石英ガラスを通して光を取り出す。内蔵するランプは、中心波長が308nm、半値全幅2nmの光を照射し、照射窓(石英ガラスの外側)での放射照度は約10mW/cm2である。ランプユニットの反射鏡の形状を図2に示す。本ランプは、比較的大きな表面積を有する。従って、ランプ表面から放射された光を有効に利用するための反射鏡を設計した。このため、広い面積を均一な照度で照射する事が出来た。照度のピーク値を100%とした時の相対照度分布を図3に示す。相対照度80%の範囲は約70×70mmであった。

3.結言

誘電体バリア放電を利用したエキシマランプを用い、ほぼ単一波長の紫外線を広範囲に照射することのできるエキシマ光照射装置を開発した。本照射装置は、308nmのみでなく、ランプユニットを交換することで222nm、172nmに発光中心波長を持つ紫外線を照射することが可能である。

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