USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No. 4(1996年2月発行)

第56回 応用物理学学会 学術講演会 講演予稿集

(1995年8月26日~28日)

28a-SC-2
エキシマランプによるポリアセタールの表面改質
Surface Modification of Polyoxymethylene with Excimer Lamp

東海大(工)、ウシオ電機(株)*、畑尾 健、青池政憲、五十嵐龍志*、村原正隆
Tokai Univ.,USIO INC*, K.Hatao,M.Aoike,T.Igarashi* and M.Murahara

【はじめに】

ポリアセタールは、機械的強度および剛性に優れており、金属に代わるエンジニアリングプラスチック材料の雄として広く使用されている。しかしその表面は、接着剤や粘着剤との親和性に乏しくまた、染着性も劣っていた。

そこで、我々は、簡単な方法として、化合物水溶液雰囲気中で紫外光を照射する表面改質法を提唱して来た。前回は、水の雰囲気下で172nmの真空紫外光を照射した試料の水との接触角を25度まで向上させた。今回は、酸、とくに硝酸の薄液層をポリアセタールとの界面に形成させ、そこに種々の波長のエキシマランプ光を照射し、その光の照射条件と波長依存性とを調べ、かつ、水との接触角を15度まで小さくすることに成功したので報告する。

【実験方法および結果】

ポリアセタール樹脂フィルム上の硝酸薄液層を介して、エキシマランプ光(172、222、308nm)を0~12分間照射した。この照射によって、露光された試料表面の親水性を、水との接触角から評価した。その接触角のランプ照射時間依存性をFig.1に示す。この図から、未処理では80度であった水との接触角が、172nm光6分照射で15度にすることができた。

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