USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No. 4(1996年2月発行)

第56回 応用物理学学会 学術講演会 講演予稿集

(1995年8月26日~28日)

28p-PC-15
172nm誘電体バリア放電ランプによるSiO2膜の室温形成(III)
Fabrication of SiO2 Film at Room Temperature by 172nm VUV Lamp(III)

東海大(工)、ウシオ電機(株)*、 鈴木剛臣、 松崎智彦、 工藤浩一、 長谷川浩一、 鎌田尚之、 五十嵐龍志*、 村原正隆
Tokai Univ.,USHIO INC.* T.Suzuki,T.Matsuzaki,K.Kudou,K.Hasegawa,N.Kamata,T.Igarashi*,and M.Murahara

【はじめに】

シリコン半導体製造に欠かせない絶縁層(SiO2)形成は、高温雰囲気での、熱酸化に頼るところが大である。またその膜をCVDやPVD法によって形成する場合でも、基板加熱が不可欠であった。しかも、この加熱による不要な不純物拡散も無視できない。そこで我々は、上記の問題を解決する為に、室温での絶縁膜形成を試みて来た。緻密な酸化膜形成には、紫外線励起が不可欠と考え、光源として、ArFエキシマレーザーや172nm誘電体バリア放電ランプを、また反応ガスとしてはNF3とN2Oを用い、シリコン基板上に連続的にSiO2膜を形成させてきた。[1][2]

今回、N2Oの代わりにO2用いる事により、成膜時間を1/5に短縮する事ができたので報告する。

【実験方法及び結果】

NF3とO2の混合ガスを封入したチャンバー内にシリコン基板を置き、そこへ172nm 誘電体バリア放電ランプ光を照射すると、ガスが光分解され中間生成物が出来る。この中間生成物の吸着と酸化が繰り返されることにより、SiO2の多層膜が形成する。

実験条件は、混合ガス圧比NF3:O2=10:1、混合圧が330Torr、ランプ照射時間3分、反応放置時間10分であった。この条件下で、形成された膜の膜厚は約1000A、抵抗率1.59 ×1010cmであった。Fig.1に形成した膜の3次元非接触表面粗さ計による測定結果を示す。

Copyright © USHIO INC. All Rights Reserved.