パルス動作する無声放電励起希ガスエキシマフラッシュランプは、現在注目されている短波長固体レーザー媒質の励起光源として、あるいは発光波長の広帯域化により種々の物質の真空紫外時間分解吸収測定用光源などの応用が期待される。これまでに我々は、パルス無声放電励起Xe₂*フラッシュランプを開発し、その励起・失活過程を明らかにした^1）。今回、Krガスを使用し短波長化を行い、さらに、広帯域発光の原因（KrXe*生成の可能性^2））を解明するためにKr/Xe混合気体をパルス無声放電励起する新型エキシマフラッシュランプを開発した。広帯域の各波長成分の時間分解波形を解析し、励起過程について考察した。

放電部は内径1.5cm、励起長50cmの円形石英管をアルミ電極が挟み込む形になっており、容量 0.7µＦのコンデンサに最大 22kVの直流電圧を充電し、パルス放電を行う。Fig.1はKr260Torr、Xe35Torrの混合気体を無声放電励起した時に得られたパルス幅1.5µs、波長帯域 25nmの広帯域スペクトルである。