USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.18(2000年3月発行)

第60回応用物理学会学術講演会
21aⅢ4

(1999年9月)

露光用3kz ArF エキシマレーザーの開発
3kHz ArF excimer laser for 193nm lithography

柿崎弘司、斉藤隆志、三橋健一、新井基尋、多田昭史、対馬弘朗、佐々木陽一、五十嵐龍志、堀田和明
(株式会社ウシオ総合技術研究所)
K. Kakizaki, T. Saito, K. Mitsuhashi, M. Arai, A. Tada, H. Tsushima, Y. Sasaki, T. Igarashi, K. Hotta
(USHIO Research Institute of Technology Inc.)

1. はじめに

ArF エキシマレーザーは、0.13µmルール対応の次世代露光用光源であり、その性能向上に向けた開発が現在活発に進められている。我々は、これまでに2kHz ArFエキシマレーザーの基本特性を実証したことを報告している1)。今回、さらに高スループット化に対応すべく、3kHz ArFエキシマレーザーを開発し、その基本特性を実証したので報告する。本レーザー装置は、レーザーパルス幅を従来の3倍程度に伸長させており、その結果、露光機の石英部品へのダメージ低減、および超狭帯域化による解像度の向上を可能にしている。

2. 装置の概要

開発したレーザ装置の特長を以下に示す。

  • (1)誘画体パリア放電による低入力均一予備電離およぴ高速電流立上り放電部
  • (2)電極間に80ns 以下て高電圧を印加可能な高速固体電源、および高繰返し動作対応のPFN放竜回路
  • (3)電極間、電極長手方向ともに均一な高速ガス流が得られるガス循環系

以上により、均一放電の長時間持続(100ns程度)、およぴ低クリアランスレシオ(2以下)を実現し、レーザー発振効率を低下させること無く、ロングパルスでの高繰返し勤作を達成している。また、レーザーガス中の不純物量の管理、放電ダストの発生低減およぴ高効率除去などにより、ガス寿命5x107パルス、チヤンパー寿命109パルス以上も合わせて実現している。

3. 出力特性

図1に繰返し出力特性(印加電圧100%時)を示す出力エネルギーをE、出力安定度を3σ、レーザーパルス幅をTis(=[∫I(t)dt]2/∫I2(t)dt、Iは光強度)で示している。3kHz においてE: 9mJ、3σ: 5%、Tis: 49nsが得られた。図2に典型的なレーザーパルス波形を示す。パルス幅をTis 半で50ns 程度まで伸長させたことにより、ピーク強度は1/3以下に低下した。スペクトル幅は半値で0.4pm以下、95%エネルギー積算で0.9pm以下が得られた。

参考資料

Copyright © USHIO INC. All Rights Reserved.