光技術情報誌「ライトエッジ」No.20(2000年12月発行)
Deep UVランプ専用ランプハウスの標準化
Deep UVランプ専用ランプハウスの標準化
株式会社ウシオスペックス
吉田祐光
はじめに
多目的な実験、研究用のランプハウスとして、小型ショートアークランプ専用のランプハウス「OPTICAL MODULEX」を商品化して2年半を経過しました。この間、多くの研究者の方々から、「ウシオはDeepUVランプを売っているのに、ランプハウスはないのか?」という疑問・質問があり、ユーザーの方々にご不便をおかけしておりましたが、このたび標準化を完了いたしました。
1.ランプ DeepUVランプ 500W UXM-500SX
「OPTICAL MODULEX」の使い勝手の良さは、専用ランプによるところが大きいので、図1のごとく、プリセット型リード線付きのものを開発していただきました。性能的には標準のUXM-501MAと全く同じです。
これにより、光軸合わせのわずらわしさからユーザーを解放しました。また、UV光によるリード線の損傷も、ランプ交換ごとに新しくなるため、心配なくなりました。
2.電源 BA-M500
これも「OPTICAL MODULEX」のクセノンラ ンプ500W用と同一デザインに統一しました。
スタータをランプハウスに内蔵しましたので、すべてコネクタ接続により、安全・確実な結線が可能です。当然インタロック機構を有し、不要にランプハウスのフタを開いた場合、電源をOFFにするようにしています。
3.ランプハウス
このランプを採用される方は、300nm前後の強力なUVエネルギーを必要とされる方がほとんどです。その場合、可視領域や赤外領域等の不要な光をカットするために、多くの方がフィルタを使われています。しかし、熱のためにフィルタが割れたり、フィルタが発する二次的な熱がワークに影響することがありました。これを防止するため、フィルタ専用の空冷ファンをランプハウスに取り付けました。
さらに、遠紫外の透過率を良くするため、合成石英レンズを標準仕様としました。
※「OPTICAL MODULEX」のすべてのオプションが共用できます。
【均一平行光照射タイプ】
コンデンサレンズをスライド方式とすることによって、有効照射径が小さくてもハイパワーが欲しいという方のために、Φ30で80mW/cm2(at 365nm)の出力を取り出せるようにしました。
※通常はΦ50で50mW/cm2(at 365nm)で出荷されますが、ご発注時にご希望があれば、上記のようにセットして出荷致します。
【高エネルギー照射タイプ】
同様に合成石英レンズを標準としました。楕円反射鏡および平面ミラーという仕様でしたが、ユーザーの要求に合致すべく、全反射ミラー、UV365ミラー(約320~460nmを反射します)、UV254ミラー(約220~410nmを反射します)の3種類を標準仕様としました。ご発注時にご確認ください。
※図のように光束に若干の開き角を持たせてあります。これを変更する場合、レンズ系の変更が必要です。
【改造仕様】
真空チャンバ内に照射することで多くの研究成果が期待できますが、チャンバ上の石英窓の上にハウスを置いて真下に照射したり、集光させてワークを加熱したりする、改造仕様のご要請も数多く受けております。また、DeepUVランプ200Wタイプも改造仕様としてお受け致します。