USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.23

特集 ウシオの露光装置

(2001年11月)

1. まえがき

1.1 ウシオの露光装置特集にあたって

IT産業の変化はとどまるところを知らない。短期的には需給バランスの変調で失速することもあるだろうが、長期的なトレンドは社会、企業が改革を取り入れる限りにおいては、道具としてのITは避けては通れない。今後IT時代は現在が「第一幕」が上がったところとするならば、将来「第二幕」「第三幕」があり、大きなうねりと共に変化していくだろう。またその幅広い裾野分野は、より早い技術革新スピードを求められるであろう。

本特集企画は、IT産業が長期的な時代の流れであり、時代の要請である以上、この分野への参加は世の中から歓迎されることであり、世の中に貢献できることと信ずるが故に企画された次第である。ウシオが携わる分野は一部ではあるが、将来の第二幕に向け微力ながら多少なりともヒントが提供できればと願っている。

現在のIT産業の代表選手はパソコン、携帯電話、モバイルであるが、関連企業は顧客満足度をより高めるために軽く、薄く、小さく、かつ今まで以上に機能を強化するという難題に日々取り組んでいる。そこに組み込まれている構成部品は、より小型で高精度、高機能化を要求され、また設備(装置)も当然ながら品質、価格、性能、スピードでより優れたものを求められる。

ウシオ電機はランプ部門(ランプ単体)とシステム部門(ランプ応用装置)とに分かれており、ランプ部門もIT産業には大きく関与しているが、本誌ではシステム部門の製品関連について述べる。

システム部門はランプ応用装置担当であることより、各種露光装置他を関連業界に供給することで関与させていただいている。スタートは15年前の1986年のTAB露光装置で、その後、各業界向けにマイクロマシン用、インクジェットプリンタ用、HDDサスペンション用、水晶振動子用等々と拡大を図り、プリント基板用大面積分割投影露光装置の開発で今日に至っている。

パソコン、携帯電話等の構成部品は、より小型で集積度を求められるために、フォトリソグラフィ工程において今までより更に高精度な露光装置を投入しようと考えており、しかも何年か先に老朽化するようでは困るため、時代の先を読む装置が当然ながら要求される。露光装置に求められるもっとも重要な技術は、将来的に微細化対応部品を安定的に生産できる装置であることである。

重要な技術を更に発展させるためには露光装置の心臓部であるランプ、電源、ランプハウス、光学系(投影レンズ等)がそれぞれ時代の先読み開発でなければならない。

これら心臓部の自社開発が技術力の向上、発展には欠かせないと考えている。

(衛藤 潤生)

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