光技術情報誌「ライトエッジ」No.29(2007年8月発行)
2006秋季第67回応用物理学会学術講演会
SiNを用いたAlInGaN系紫外LED高出力化の検討
Investigation of high power AlInGaN-based ultraviolet LEDs fabrication using SiN
徳島大工,
片岡研,沖本聖,仁木貴敏,住吉和英,月原政志,西野克志,直井美貴,酒井士郎
Univ.of Tokushima,
K.Kataoka,T.Okimoto, T.Niki, K.Sumiyoshi, M.Tsukihara, K.Nishino, Y.Naoi, S.Sakai
e-mail:kataoka@ee. tokushima-u.ac.jp
はじめに
V-LEDは白色光源や殺菌・医療等の応用に向けて現在研究が盛んに行われている.これまでに我々はSiNを活性層構造中に挿入することでUV-LEDの出力が向上することを報告した[1].今回,より高いAl組成を有するAlInGaN系UV-LEDについて,発光出力に対するSiN挿入効果を検討したので報告する.
実験方法
MOCVD法によりサファイア(0001)基板上にGaNを成長したのち,AlN/AlGaN歪緩衝層,AlGaN,n-AlGaN,AlInGaN/AlGaN 多重量子井戸,p-AlGaNの順に成長を行いUV-LEDを作製した.SiNはGaN上およびAlIn-GaN井戸層の各層に挿入するか、井戸層のみに挿入した.
結果
Fig.1に作製したLEDのELスペクトルを示す.①はSiNをAlInGaN井戸層中に挿入したLED,②はSiNを含まないこと以外は①と同条件で作製したLEDである.①および②の発光波長はそれぞれ341nm,342nmであった.①のピーク強度は②の約2.5倍となり,井戸層中にSiNを挿入することによりLEDの発光強度が向上することを確認した.これはSiNがAlInGaN井戸層内のIn組成不均一を増大させたことによる効果と考えられる.