ハロゲン電球

tungsten halogen lamp はろげんでんきゅう

解説

ハロゲン電球とは、発光管内に、不活性ガスと微量のハロゲン元素またはハロゲン化合物を封入し、タングステンフィラメント発光体とした白熱電球のこと。

ハロゲンサイクルを利用していることから、タングステンの蒸発によるフィラメントの損耗と、ガラス球面内の黒化が少なく、寿命が長くなる。このため一般照明用電球よりフィラメント温度を高くして、発光効率を高くすることができる。ハロゲンサイクルを発現させるために、ガラス球を高温にする必要があり、これに耐えるよう石英ガラスが多く使用されているが、アルミノシリケートガラス、高珪酸ガラスも用いられる。
封入ガスは、アルゴン、窒素、クリプトンなどの不活性ガス(ガス圧 100~400 kPa) のほか、ハロゲン物質として、ヨウ素、臭素、塩素などの単体またはその化合物が使用される。

※一般照明用の片口金の小型のもの (反射鏡付きも含む) は、点灯方向が自由であるが、投光用など細長い管形の両口金のものは、鉛直点灯すると発光管下部で最冷部の温度が低くなり、ハロゲンサイクルが十分作用しないため、水平点灯のみである。
※赤外反射膜応用ハロゲン電球は、石英ガラスの外表面に誘電体多層膜(高屈折率層に、TiO2やTa2O5など、低屈折率層にSiO2)で透光性赤外反射膜を形成している。これによってフィラメントから発する可視光透過させ、赤外線反射してフィラメントの加熱に再利用し、ランプ効率の向上と同時に熱線が低減される。
※低電圧形ハロゲン電球は、12Vまたは24Vで点灯される。低電圧用のフィラメントは、小さく設計できることから、点光源に近くなる。これに可視光を反射し、赤外線を透過させる多層反射膜をつけた小型の反射鏡(ダイクロイックミラー)と組合せることにより、熱線が少なく、シャープな配光を得ることができる。
※ハロゲン電球は、小型で高輝度であり、光色(色温度3,000~3,400K)がよく、演色性も優れているなどから、店舗のスポット照明、投光照明、スタジオ照明をはじめ、映写、光学機器、自動車前照灯、飛行場誘導灯火、集魚灯、複写機器など、多用途に使用されている。