白熱電球
incandescent (electric) lamp
はくねつでんきゅう
解説
白熱電球とは、発光管(ガラス球)内のフィラメント(抵抗体)を電流によるジュール熱で加熱し、その発光(熱放射)を利用した光源(ランプ)のこと。単に電球と呼ばれることが多い。
T.A.Edisonが発明した実用電球は、フィラメントに炭素が使われたが、現在ではタングステンが使われる。
→カーボン電球を参照。
フィラメントには、コイル状にした細いタングステン線が使用されるが、一般照明用電球では二重コイルが多い。ガラス球には、ソーダ石灰ガラスが用いられ、その形状は、なすび形や球形が多い。
ガラス球の中はアルゴン、窒素、クリプトン、キセノンなどの不活性ガスが封入され、一部の特殊なものには、真空のものもある。
※一般照明用電球(100V20W~100W)は、アルゴン(86~98%)と窒素(2~14%)が封入され、点灯時に約1気圧(100kPa)になる。クリプトンやキセノンを封入した電球は、効率の向上または寿命を長くすることができるが、経済的理由から、その使用は特別なものに限られる。
※電球の発光は、高温フィラメントからの熱放射を利用し、連続スペクトルである。したがって、演色性が非常によい。一般照明用 100Wの電球のフィラメント温度は約2,800Kと高い。入力電力に対する可視光の変換効率は約10%で、赤外放射が約70%もある。
※フィラメント温度を高くして、光色をよくした写真撮影用白熱電球の色温度は3,360Kである。また、フィラメント温度を低くして、赤外放射を多くしたのが赤外電球(色温度2,500K)である。
※相関色温度2,855.6Kで点灯された白熱電球は、(CIE)標準光源Aを実現する人工光源として用いられる。
※ハロゲン電球も白熱電球の一種である。
→ハロゲン電球を参照。