事業を通じた
持続可能社会への貢献
基本的な考え方
ウシオは、創業から培った技術力を活かし、様々な製品を生み出してきました。
その背景には、光をあやつるコア技術の蓄積と社会課題の察知力が強く関係しています。ウシオはこれからも、コア技術を活かし、社会課題の解決に向けてソリューションを提供することで、人々の幸せと社会の発展を支えていきます。
中長期を見据えた技術開発の進化
技術本部のミッションは、現業の成長を支える中長期の技術開発と、保有技術の強みを活かした新たなアプリケーションや事業を生み出すことです。前者については、事業部との連携を強め、全社ロードマップから展開された計画に基づいて実施します。将来の露光機に向けた制御の高性能化や、光プロセス現象を解明して、お客様にウシオの技術を採用していただけるような、事業の下支えに取り組んでいます。
後者については、顧客視点での開発を進めるため、マーケティングの強化とともに、導入したステージゲートシステムに基づいた審査や各活動の定期的な評価により、事業性が見込めなければ中止し、逆に可能性が高まればリソース投入で加速するような判断をしています。一般的に新規事業創出の確率は低いといわれていますが、多くの可能性に取り組んでチャンスを広げるために、出口のない開発を続けないことを意識しています。
また、事業における開発を効率的に進めるために、研究開発の手法自体を改善する開発にも取り組んでいます。特にシミュレーション技術を高めた試作レス開発の実現を重点課題としています。ランプと電源の統合シミュレーションにより、品質向上、開発期間短縮、開発コストの大幅な低減を実現し、競争力を高めることを目指しています。
新規事業創出力の強化に向けた取り組み
光電融合:DFB-LD(分布帰還型レーザー)増産に対応した露光装置の展開
データセンターの電力問題を背景に、電気配線を光配線に置き換える光電融合の技術開発が進められており、通信用光源であるDFB-LDの需要は急激に増大しています。DFB-LDと変調器を組み合わせたEMLチップの作成プロセスにおいて、平坦でない表面や段差への露光が求められることがあります。ウシオのUX-4は大面積一括露光と深い焦点深度が特徴で、これらの要求に応えることが可能で今後の採用拡大が見込まれます。またレーザーの狭帯域化に必須となる高精度な回折格子の形成では、開発中の干渉露光装置への適用が可能です。干渉露光はARデバイスにおける導波路形成での活用も期待されています。

半導体検査用途:波長制御と高輝度光源で「奥まで」欠陥を可視化
半導体の微細化・3D化に伴い、形状ばらつきや積層の位置ずれ、ボンディング界面の平坦性維持など、微小欠陥を「表面だけでなく内部まで」可視化できる検査の需要が急拡大しています。波長を選択することや、波長帯域を広げることで、非破壊で内部も含めた情報を取り出すことができるのが光計測の特徴です。一方で正確に観測するには、光源の輝点を点に近づけることが必要で、他社との協業も含めてこのような高輝度な光源の開発を進めています。さらに、EUV領域からX線領域向けの高輝度光源開発をドイツ政府の補助金も活用して推進し、タイムストレッチ分光など高速分光技術の半導体検査への転用の可能性も評価中です。今後は半導体検査機市場の成長も見込まれる中、国内外の検査装置メーカーとの連携を通じて、光の優位性で新市場の開拓を進めていきます。

PFAS分解:エキシマランプ(172nm)による「光分解」プロセスを開発中。2027年度初号機出荷を目指す
PFAS(有機フッ素化合物)は規制強化が進む一方、既存の処理技術である活性炭吸着・焼却は炭の廃棄や大気への再放出リスクなどの課題があります。ウシオはエキシマランプ(例:172nm)による短波長光と水中で生成された活性種により、PFASを段階的に分解した後、生成物をフッ化カルシウムへ変換して回収・再利用可能とする「光だけで分解」プロセスを開発しています。添加剤を使用せず、オンサイトで処理が可能であることに加え、短鎖PFASまで分解できる点が差別化のポイントです。実排水による検証結果に基づき、分解可能性の確認を進めつつ、ユニット販売・レンタルも展開中です。今後はプラントメーカーと連携して、2027年度の初号機の出荷を目指しています。

環境配慮型製品の方針
気候変動への影響は、事業全体に及びます。特にウシオのようにエネルギーを利用する製品を提供しているメーカーは、製品の使用による気候変動への影響の割合が高くなる傾向にあり、これは大きなリスクになります。しかし、様々な企業が気候変動に取り組む状況の中、気候変動への影響がより少ない製品を開発すれば、お客様に選ばれる機会になると考えます。
ウシオは安全・安心・環境配慮型ソリューションの創出をテーマに、この対象範囲を「製品、開発、サービスを含む全事業領域」へと拡大してきました。省エネルギーに寄与する環境配慮型設計や開発を推進するため、ウシオ独自のスーパーグリーン製品の認定基準の一つとして省エネルギー化の項目を設け、認定製品の販売促進により省エネルギーへの貢献も継続的に進めてきました。
マテリアリティとして2023年度以降も、製品使用時のCO₂排出量の削減について引き続き重点課題として取り組みを継続していきます。スーパーグリーン製品の開発をはじめ、省エネ型の製品開発を今後とも進めてまいります。
環境配慮型製品開発によるCO₂削減に関する計画と実績
| 計画 | 達成状況※ | 実績 | |
|---|---|---|---|
| 2025年度 |
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〇 |
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グループ統一環境配慮型製品アセスメントによるGP製品比率※275%以上、SG製品比率※210%以上 |
〇 |
・GP製品比率:95% |
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グループ統一環境配慮型製品アセスメントと環境ファクター計算に基づくGP・SG製品基準のグループ会社への展開 |
〇 |
海外グループ会社への展開を実施 |
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SCOPE3の対象となる2017年度のグループ全体の基礎データから、GHGプロトコルのガイドラインに沿った妥当性のあるCO₂排出量の算出方法のマニュアル化、およびQMSへの制定、並びに第三者検証の認証取得 |
〇 |
SCOPE3についてグループ全体のデータからGHGプロトコルのガイドラインに沿ってCO₂排出量を算出し、第三者検証による認証を取得 |
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| 2026年度 |
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グループ統一環境配慮型製品アセスメントによるGP製品比率80%以上、SG製品比率20%以上 |
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グループ統一環境配慮型製品アセスメントと環境ファクター計算に基づくGP・SG製品基準のグループ会社への展開 |
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SCOPE3の対象となる2017年度のグループ全体の基礎データから、GHGプロトコルのガイドラインに沿った妥当性のあるCO₂排出量の算出方法のマニュアル化、およびQMSへの制定、並びに第三者検証の認証取得 |
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中長期
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※◯:達成、✕:未達
環境配慮型製品への取り組み
ウシオでは、設計審査に「グループ統一環境配慮型製品アセスメント要領」を組み込むことで、設計段階より製品が環境に与える影響を事前評価しています。この評価を基に、環境性能を向上させた製品を「環境配慮型製品」として認定しています。さらに環境配慮型製品の中でも優れたもので、既存製品とは一線を画した革新的環境対応技術を採用した製品を「スーパーグリーン製品」として認定しています。

スーパーグリーン製品の開発
ウシオは環境配慮型製品の創出に取り組み、ウシオ独自の認定基準に基づき、環境対応技術を積極的に採用した製品を、ウシオの「スーパーグリーン(SG)製品」として認定しています。SG製品は、「省エネ」「長期使用」「3R設計」「使用材料」「アプリケーション」などで優れた環境配慮がなされたトップランナー製品であるほか、「ウシオ環境ファクター」による数値基準をクリアしたもので、現在は数多くの製品が認定されています。
スーパーグリーン製品の評価項目
SG製品認定の基準は、次の3つの要件で構成されています。
①環境配慮型製品マスター基準で80点以上
②環境ファクター1.5以上
③透明性確保
環境ファクター
環境ファクターは、対象製品の環境効率/基準年度の同種製品の環境効率で算出しています。また、ウシオでは製品の環境効率を、製品の価値(性能)/環境負荷量で計算しています。製品の価値とは(出力×寿命)で算出し、環境負荷量は√[(入力)²+(3R量)²+(化学物質含有量)²]で計算します。
*1 出力:ランプであれば必要波長領域における光出力、照度など
*2 入力:製品使用時におけるエネルギー使用量
*3 3R量:製品の大きさ・重量(使用している資源の量)
*4 化学物質含有量:環境リスク物質の含有量例えば、環境ファクター数値がαの場合、製品の基準年度に対する改善度合いは以下を示します。
・製品の環境負荷が同じであれば、性能がα倍にアップ・製品の性能が同じであれば、環境負荷が1/αに削減
環境配慮型製品(グリーンプロダクツ)の取り組み
ウシオは製品設計において、環境配慮型製品アセスメントを義務づけしています。環境配慮型製品マスター基準で60点以上をクリアし、環境ファクターの向上などの必要項目を満たした製品を環境配慮型製品(グリーンプロダクツ)として認定しています。
LCA(ライフサイクルアセスメント)の取り組み
LCAとはLife Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の略で、原材料調達から製造、使用、リサイクル、そして最終的な廃棄処分にわたって、製品の使用する資源やエネルギーと、製品が排出する環境負荷を定量的に推定・評価し、さらに製品の潜在的な環境影響を評価する手法です。
LCAの実施
どんなに工場でのCO₂排出量を削減したとしても、作った製品を実際にお客さまが使用されるときに排出するCO₂が増えたのでは意味がありません。また、お客さまにとっても使用する製品が省エネ製品であればコスト、環境の両面でメリットが生まれます。そこで、製品・サービスのライフサイクル全体(ゆりかごから墓場まで)の環境負荷の定量化を行いました。ウシオでは、2006年度にLCAのガイドラインを作成し、LCAを実施対応してきました。
製品LCA情報
産業用から照明、ビジネス分野まで幅広い分野で使われるウシオグループの製品は、そのライフサイクルの広い局面で環境負荷を作り出しています。その全体像をライフサイクルのステージごとに、数値で把握し、環境に配慮した各種対策を講じることで、社会全体の環境負荷を低減する努力を続けています。このように環境を通じて社会に貢献しようと取り組んでいるウシオグループの環境配慮に対する取り組みの一端として、オフィスや一般家庭などでも使われることが多い、プロジェクタに搭載される放電ランプおよびその点灯電源のLCA評価結果を示します。これらの評価結果は製品設計、製造工程の改善、社内の環境教育等に活用されています。
LCA取り組みの具体例
データプロジェクタ用高輝度放電ランプ(NSHランプ)
ランプ1本のライフサイクルにおける各ステージ別CO₂排出量を算出した事例です。 使用段階でのCO₂排出量は全ライフサイクルの約98%を占めており、電力による負荷が大きいことが分かります。次に大きいのは製品を構成する素材で約1.5%を占め、その内訳で大きいものはリフレクタや前面ガラス等のガラス材料による負荷です。評価結果からは特に使用時のCO₂排出量が大きいことが分かります。改善策として省エネタイプのランプ開発が重要です。
対象商品:データプロジェクタ用高輝度放電ランプ(直流点灯 300W)
使用期間:1500時間
商品の流れ:素材 → 製造(工場)→ 流通 → 使用 → 廃棄
ライフサイクルの各ステージ別CO₂排出量

データプロジェクタ用高輝度放電ランプ点灯電源

点灯電源1台のライフサイクルにおける各ステージ別CO₂排出量を算出した事例です。製品を構成する素材ステージのCO₂排出量は全ライフサイクルの約54%を占めており、その素材内訳の中でトランジスタやダイオード等の半導体素子が主な負荷になっています。次に大きいステージは使用段階で、全体の約45%を占めています。使用段階のステージは負荷損失をCO₂排出量に換算して算出しています。この評価結果から素材や使用段階でのCO₂排出量が大きいことが分かります。改善策は環境負荷の少ない半導体素子の選定、電源回路の改善による環境負荷の大きい素子数の低減、点灯電源の効率向上(省エネ技術の開発)等が考えられます。
対象商品:データプロジェクタ用高輝度放電ランプ(交流点灯NSHA 230W)用点灯電源
使用期間:11750時間(1日当たり3.5時間、年間100日で5年間の使用とする。社団法人産業環境管理協会エコリーフプログラム・データプロジェクタPSC(番号AG-03)による。)
商品の流れ:素材 → 製造(工場)→ 流通 → 使用 → 廃棄
ライフサイクルの各ステージ別CO₂排出量

※本電源は海外で生産しているため、輸送ステージを除いています。
※同上の理由で、CO₂換算原単位値は日本国内生産での値を採用しています。


