コンプライアンス

ウシオ電機は、全社員が法令、定款および企業理念を遵守した行動をとるための行動指針として「私たちの行動指針10」を定め、その徹底を図るためコンプライアンス委員会を設けるとともに、全社員に対する様々な教育研修を通じてコンプライアンス意識の醸成に努めています。内部監査部門はコンプライアンス委員会や関係部署と連携の上、行動指針をはじめ以下の各項目を含めたコンプライアンスの遵守状況を監査し、適宜取締役会および監査等委員会に報告しています。また、グループ各社にも行動指針などを共通で準用・活用し、内部監査部門がグループ会社の監査を実施しています。行動指針や各種関連規程、具体的な各種コンプライアンス施策は、コンプライアンス委員会において年1回以上、有効性を評価、検証し、改善をしています。

ウシオヘルプラインに寄せられたすべての通報案件は、コンプライアンス委員長に報告されます。そして、ウシオの役職員によるコンプライアンス違反またはそのおそれのある事案を認識した場合は、直ちにコンプライアンス委員会が調査対応を行い、関係部署とともに是正措置および再発防止策を策定することで、再発防止を徹底しています。

安全保障輸出関連法規制の遵守

ウシオグループは、世界的な平和と安全に向け、その維持を損なう輸出及び輸出関連取引には一切関与しないという基本方針を掲げ、安全保障輸出管理に対する各種取り組みを行っています。

当社では、「ウシオ電機輸出関連法規遵守のための社内規則」(CP:コンプライアンスプログラム)を設けて推進体制を定めると共に、これに基づく社内手続きや輸出管理を行い、具体的には、輸出する貨物・提供する技術の該非判定を行うと共に需要者や用途確認などの確認をすることで取引内容全体を審査し、貨物輸出・技術提供の可否判断を実施しています。
また、法改正への対応、社員教育、内部監査などを通して、自主管理体制を構築しています。

このような輸出管理体制の取り組み結果のもと、経済産業省から管理の厳格な輸出者のみに与えられる包括輸出許可を取得しています。

ウシオヘルプライン

ウシオグループでは「ウシオヘルプライン」制度を2006年10月から開設しています。これは、国内におけるグループの全社員や退職者など外部のステークホルダーが職場における法令違反や社内規則違反(いじめやハラスメント等を含む)、企業倫理違反などの不正行為を受けたとき・知ったときに直接相談や通報ができる外部窓口であり、早期発見、利用においては匿名性と秘匿性が担保されており、相談者や通報者が不利益を受けないことを前提に運用されています。

外部窓口に寄せられたすべての通報案件は、社長に任命された管理担当役員が務めるコンプライアンス委員長に報告され、コンプライアンス委員長統括のもと調査・対応・再発防止を実行し、早期解決を図っています。

情報セキュリティ

ウシオグループでは、事業活動上で取り扱う機会が多いお客様の個人情報、お客様からお預かりする重要な企業情報などの情報資産を、漏洩や改ざんなどの脅威から確実に守ることが重要課題と考えています。さらには、情報は価値を生む資産、企業価値を高める源泉という認識に基づき、社員の情報セキュリティ意識の向上およびリスク管理体制などの整備を推進しています。

これらの管理においては、「ルールを決める」「ルールを守る仕組みをつくる」「意識向上」の三位一体となった取り組みが必要であり、情報セキュリティ管理規程に基づく運用と、海外を含むグループ内でのルールの均質化を図っています。
特に、セキュリティに関するルールは事業環境の変化に適応した内容になるよう適宜見直しを行うことが大切だと考えています。

具体的な取り組みとして、グループ会社全体の情報セキュリティ管理とリスクマネジメントの強化を図るべく、2023年にグループポリシーを制定、グループ各社のセキュリティレベルに応じた教育・啓蒙活動を進め、情報セキュリティのリテラシー向上を図っています。
国内グループ会社においては、AIを活用したPC操作ログの分析により、内部による情報漏洩の早期発見および抑止力を高める運用を実施しています。
また、標的型メールへの対策としてSOC(Security Operation Center)を導入し、社外からの脅威に対して監視や分析を実施しており、早い段階で外部からの攻撃を検知・防御することで情報資産を漏洩や消失から守っています。
しかし、システム上の対策だけでは不十分であり、継続的に社員のセキュリティ意識を向上させることが重要な課題であるため、eラーニングによる社内教育を毎年実施しています。また、標的型攻撃メールへの訓練を実施し、情報リテラシーを高めることにも取り組んでいます。

これらはお客様、ステークホルダーの利益を守るための活動として位置づけており、社員ひとり一人が高い意識を持てるようグローバルに推進していきます。

知的財産権の保護

ウシオでは自社の権利を保護すると同時に、他社の権利を尊重し、以下の取り組みを行っています。 1.産業財産権、著作権およびその他の知的財産権に関する法令を遵守しています。 2.自社の知的財産権が他社に侵されあるいは他社のものを侵すことがないよう、リスク管理に努めています。 3.事業展開に合ったタイムリーな出願および権利化を図り、積極的な企業活動に貢献しています。 4.海外出願する国や地域、出願の内容について検討を行い、海外における競争力強化に努めています。 5.社員全員が職務発明に関わる管理規程を理解し、これを遵守しています。

腐敗防止に向けた取り組み

ウシオは、適用されるすべての腐敗防止法令の遵守をグループ全体で徹底し、その社会的責務を果たしていくための指針として、腐敗防止ポリシーを定めています。

また、ウシオは、「私たちの行動指針10」においても公正・公平な取引を行うことを掲げており、従来から腐敗防止を徹底しています。
この指針の第6章及び第7章は腐敗防止に関する方針で、以下のような解説がされています。

第6章 私たちは、法令を遵守し、社会的良識に従って、公正な企業活動を行います
「私たちは、贈答や接待などを行う場合には、法令を遵守すると同時に、社会通念に照らした上で、常に適正な内容、頻度、金額に留めるようにします。
私たちが、業務に関連して慣習的・儀礼的贈答(中元・歳暮)を受ける場合は、丁重に辞退し、また食事や接待を受けるときも原則として辞退します。
私たちは、官公庁との取引に当たっては、関連する法令を遵守し、公明正大な手段をもって行います。
私たちは、企業として政治や行政に対して、産業や経済に関する制度・政策の改廃などを求めることがあります。しかし、その場合には、常に公明正大な手段で行います。
また、政治献金を行う場合も、関連法令を遵守するとともに、特定の見返りや便宜供与を期待しません。」
第7章 私たちは、会社の定める規則や基準に従い、誠実に職務を遂行します
「常に公私の別を明らかにし、職務上の地位や職務に関連して、私的利益を得るようなことは行いません」

また、2010年には腐敗防止の原則を含む「国連グローバル・コンパクト10原則」に署名し、さまざまな事業活動における汚職・腐敗行為の防止を支持しています。

具体的取り組み

ウシオの事業における懸念事項としては、大学・官公庁などが関係する理化学機器や光源製品、および医療機関の販売活動での贈収賄などが挙げられます。特に医療機器の販売においては、お客様である医療従事者との適切な関係を保つことを重視しており、営業担当者に対する「透明性ガイドライン」に基づいた定期的な教育を行い、腐敗防止に取り組んでいます。

新任の調達業務の担当者には当社購買心得の周知を徹底しており、お取引先さまとの不適切な関係の予防に努めています。その他、幅広い製品販売や資材購入に関わる業務においても、当社の事業範囲が海外にまで拡がる中、汚職・腐敗防止の海外法規(米国FCPA(連邦海外腐敗行為防止法)、英国UKBA(贈収賄防止法)など)の域外適用の可能性もあり、汚職・腐敗防止に関連する懸念が複雑化しているリスクを認識しています。

担当業務に関わる腐敗防止の教育を個別に実施するとともに、管理職に対しては世界的な腐敗防止法の執行強化の動きを踏まえ上記懸念事項に特化した教育を行うとともに、グループ全従業員に対しコンプライアンス月間を設けて、私たちの行動指針10の読み合わせなど理解を深めるための教育を実施するなど、全社において汚職や贈収賄防止を含む腐敗防止に関する考え方(方針)の理解と遵守を図っています。

ウシオ従業員の通報窓口である、ウシオヘルプラインにおいても当該懸念事項に関して匿名を含めた内部通報を受け付けています。
さらに2022年度には、「腐敗防止ポリシー」の周知徹底と浸透強化を目的に、全従業員を対象とした研修会を実施し、631名が参加致しました。コンプライアンスの強化・遵守の浸透を図る為に、社員への様々な教育・研修および周知活動を継続的に実施します。

当該行為が確認された場合、コンプライアンス委員長として社長任命された管理担当役員の統括のもと調査および適切な対処をし、必要に応じて取締役会にも報告されます。
腐敗行為に特化した罰金やペナルティの設定はありませんが、深刻な状況が発覚した場合は、ウシオ規程に基づいた懲戒処分を実施します。