紫外放射
ultraviolet radiation
しがいほうしゃ
解説
波長が可視放射よりも短くおよそ1nmまでの光放射のこと。
※1 IECでは通常100nm-400nmの範囲を次のように区分する。
UV-A 315nm-400nm
UV-B 280nm-315nm
UV-C 100nm-280nm
※2 非常に明るい光源では 400 nm より短い波長での視覚が顕著になるため、「紫外放射」と「可視放射」の正確な境界を定義することはできない。
※3 用途によっては、紫外放射スペクトルが「遠」、「真空」、「近」紫外放射に分類されることもある。
ただし、境界はアプリケーション(気象学、光学設計、光化学、熱物理学など) によって異なる。
※4 慣用的に、紫外放射と同義な用語として「紫外線(Ultraviolet rays)」が使われている。
→近紫外放射、中紫外放射、遠紫外放射、Far UV-C、真空紫外放射、極端紫外放射を参照。
〈 代表的用途例 〉
- キュアリング(光硬化)
超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプを使用し、インキなどの瞬間乾燥・硬化、電子部品や光学部品などの微小面精密接着、レジスト硬化、 - 液晶パネルの貼り合わせなど。
- リソグラフィ(露光)
超高圧水銀ランプ、エキシマレーザ、EUVを使用し、半導体、液晶などの回路パターン形成。 - 表面改質
高エネルギーをもつ短波長の真空紫外光(波長200nm以下)を使用し、ガラスやウェハ、プラスチックなどの表面の親水性、疎水性など、物理特性を変える。 - 光洗浄
波長200nm以下の遠紫外放射(真空紫外放射)による、ガラスやウェハなどの物質表面に付着した有機物の除去。 - レジスト剥離(アッシング)
波長200nm以下の遠紫外放射(真空紫外放射)による、ウェハ上の不要なレジスト(有機物)の分解・除去。 - 光CVD
紫外放射を利用した化学反応によって、薄膜を形成する。 - 光治療
紫外放射の特定の波長と、それに反応する薬品を組み合わせることで人体に化学反応をおこし、皮膚疾患などを治療する。
症状によっては、可視放射や赤外放射を使用することもある。 - 水殺菌/空気殺菌/表面殺菌
UV-Cは、一般的に殺菌に広く用いられているが、病院を中心に、人体により安全性の高いFar UV-C(200~230nm)の普及も進んでいる。